YSこころのクリニックスタッフブログ

現代のうつ病事情を読み解く!東京都江東区門前中町の心療内科・精神科「YSこころのクリニック」がうつ病に関する様々な情報をお届けします。

気づいた時には危険度が高くなってしまう『男性のうつ病』

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うつ病は、

「女性の方が男性よりも、うつ病になる確率が約2倍高い」

といわれているそうですが、これはうつ病になる男性が少ないというのではありません。仮にうつ病になるのが女性の方が高いとしても、うつ病が原因と考えられる自殺者数を調べると

『男性の方が女性よりも2倍も多い』

というのをご存知でしょうか?

男性でも、女性でもうつ病になるのはショックな事だと思います。ただ男性の方が一概にとは言えませんが、うつ病に患った時に

『死に至る危険性が高い』

かもしれません。

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1.「治療を始めた時には既に重症だった」となりやすい男性のうつ病

うつ病という病の特に多い症状に

  • ふさぎ込みがちになる
  • 眠れない、食べれない
  • 常に不安感や焦りがある

等がありますが、これは男女どちらの患者さんにもある症状ですし、「老いも若きも」関係ありません。

ただ、どちらかといえば男性の方が

  • 仕事でのストレスが大きい
  • ノルマや昇進といったプレッシャーを受けやすい

事が多いので、

「心への負担が増加しやすい=抑うつ症状を起こしやすい」

という状況に陥りやすいそうです。

こうした心理的なストレスを抱えている時に、上司や同僚または家族の誰かにでも打ち明けられた良いのですが、

「自分で解決しないと」
「俺がしっかりしないと」

と考えてしまい、これが抑うつ症状やうつ病を更に悪化に繋がり、結果として男性の方が

「治療を始めた時には既に重症だった」

となる場合が多く見られるとのことです。

2.男性のうつ病の原因は?

ここで「男性がうつ病になる原因」というのを考えていきたいと思います。うつ病になる原因にあまり男女差というのはないといえますが、男性の場合だと

① 仕事量の多さや休みが取れない
② パワハラ、セクハラ
③ 昇進、異動、リストラ

といった『会社に関係しているもの』が圧倒的に多いです。

特に①と②は

『男性がうつ病になる原因トップ3!』

と言っても過言ではないくらいとなっています。

ところで、上に挙げた男性がうつ病になる原因の中に「昇進」がありますが

「昇進って嬉しい事じゃないの?」

思う方がいるかもしれません。

確かに、昇進は自分が今まで頑張ってきた成果が「会社に認めてもらえた」という形です。だから昇進が決まった当初は、本人も「嬉しい!」、「やった!」という気持ちがあるのですが、実際に昇進してみると

  • これから頑張っていかないと降格させられるかも。。。
  • 周りの期待に応えられるように、仕事をバリバリこなさないと。。。

という不安やプレッシャーが大きくなっていき、これがやがてうつ病を患う要因となっていきます。だから、昇進は段々と

「嬉しいはずなのに、嬉しくない」

と感じ、やがて

『うつ病を発症させる思わぬ原因』

へとなっていくのです。

3.意外と知られていない男性の更年期障害とうつ病の話

もし、皆さんに

「更年期障害を知っていますか?」

と尋ねたら、

「女性が閉経したらなるもの。」
「40代とか50代の人がなりやすくて、ひどい人もいる。」

という答えが返ってくると思います。

女性の場合は「閉経前後の5年間くらい」がなりやすいとされていて、この時にかかるのが「更年期障害です。さて、ここで「女性の場合」とつけたのは

『男性にも更年期障害がある』

からです。この話をすると「えっ!?」と驚く人が多いのでしょうし、

『意外と知られていない男性がうつ病になる原因』

となっています。

男性更年期障害も女性と同じように

  • イライラする
  • 気分の落ち込みがずっと続く
  • 汗をかくのが多くなる、体がほてる

という症状が、うつ病の症状と同じなので

  • 男性更年期障害かと思っていたらうつ病だった
  • うつ病だと思ったら男性更年期障害だった

というケースは割と多いのですが、恐らく男性の殆どは

「自分が更年期だ」

と感じる方はまずいないでしょう。

そして、ちょっとした不調でも「仕事が忙しいから」といった理由で片づけたり、放っておいてしまう事が多いので気がついたら、うつ病であっても、男性更年期障害の悪化は避けられません。また、中には

「うつ病と男性更年期障害のどちらにもなってしまった」

という患者さんもいると聞きますので、こういう風になってしまうと治療も一筋縄ではいかなくなります。

「うつ病なのか?男性更年期障害なのか?」

については医師でも診断が難しいのですから、私達がパッと見ただけで分かるものではありません。ですから、

「ちょっと最近、おかしいな」

と感じたら、医療機関を受診するのがどちらの病かをはっきりさせる為にも大切です。

「けど、うつ病なら心療内科や精神科で治療してもらえるのは分かるけど、男性更年期ってどこに行ったらいいんだろう?」

となってしまうかもしれません。

こうした「うつ病か男性更年期障害か分からない」という時は、『泌尿器科』を受診してみてください。

ここで

「うつ病か男性更年期障害か分からないのですが。。。」

と医師に相談してみましょう。

そうするとホルモンバランスを調べる為に血液検査を行い、その結果によって「うつ病か?男性更年期障害か?」というのが分かります。

この時「男性撃更年期障害ではなく、うつ病の疑いあり」となったら、心療内科や精神科を受診しましょう。

病院を何ヶ所か行ったり、検査結果を待たなければいけないという時間や労力が少し必要にはなりますが、うつ病と男性更年期では

「治療法が全く違います」

ので、ここで要する時間や労力は

『きちんと自分の病気が何かを知って治療する為に必要』

なので、決して思い込まずに自分がうつ病なのか、男性更年期障害なのかを見極めるように心がけてくださいね。

4.怒りと依存から男性の「うつ病」をチェック

うつ病の症状は人それぞれ違うので、

「これがうつ病です」

というのはありません。ですから、見た目で「うつ病なのでは?」というのは気づきにくいですし、目次1で少しふれましたが、男性は「自分の不調を隠そうとする」人が多いので、

『治療を始めた時点でうつ病がかなり重症』=『男性うつ病患者の自殺が女性よりも2倍も多い』

という結果に結びついているといえます。

こうした男性のうつ病に気づくポイントが『怒りと依存』で、どちらも「男性がうつ病になると多く見られる症状」といわれています。

男性のうつ病にみられる症状その1:怒りっぽくなる、常にイライラしている

男性の多くは自分が不調な時にそれを隠そうとする傾向があり、これは男性がうつ病になった場合に多く見られる症状なのだそうです。男性がそうなってしまうのには、

「もしかして、うつ病なのでは?」

と感じていても、それを周りに知られないようにしようというプレッシャーみたいなのを自分に対してかけてしまい、そこから普段よりも怒りやすい、キレやすくなったりすると考えられています。ただ

「ウチの人、元々、怒りっぽい性格だから」

という場合だと、怒ったりしても「いつもの事だ」と思われがちです。しかし、そのような方でも

  • いつもより怒り方がひどい
  • 怒って暴れたり、物を壊すようになったりする

等の言動が見られるようになったら、それは

『うつ病の症状の1つ』であり
『自分のうつ病や抑うつ症状を隠している』

かもしれませんので、「ああ、まただ」と思わずに様子を注意深く見た方がいいかもしれません。

男性のうつ病にみられる症状その2:アルコールやギャンブルへの依存

女性でもうつ病を患っているとアルコール、ギャンブル、買物といったのに依存したりしてしまいますが、これは男性でも同じで特に

  • アルコール
  • ギャンブル

への依存度が高いそうです。

これはうつ病の症状を紛らわせようという気持ちからなのですが、出来ないと不安を募らせてしまうので、より依存度がより高くなり

「借金を繰り返すようになる」
「金遣いが荒くなる」

という事態までも引き起こしてしまいます。

依存を止めさせるというのはなかなか難しいですし、うつ病を患っている場合ですと治療への影響も考えられるので、依存を止めさせるのを考えるのと同時に

『うつ病を疑って、直ぐにでも医療機関を受診して治療を開始する』

のも考える必要がありこの点を誤ってしまうと、うつ病を患っている男性が

『うつ病も依存症も治らなくて、自殺してしまう』

という最悪な結果を選んでしまうかもしれません。

5.もしパートナーの男性が『うつ病になったら。。。』

恋人、ご主人といった貴方のパートナーが、もしも

『うつ病になったら、どうしますか?』

一番思いや悩むのは

「どう接したらいいんだろう?」

ではないでしょうか。

仮にこのような時に、男性に

「頑張って」

という言葉をかけてしまうと、

「うつ病になるほど頑張っていたのに、これ以上何を頑張るんだ!」

と感じてしまい、更にうつ病を悪化させてしまう可能性があります。

日本人は結構この「頑張って」という言葉をよく使うのですが、うつ病の人に

『頑張っては原則禁止』

と覚えておいた方がいいと思います。そして、代わりに

「今まで辛かったんだね。」
「一人できつかったね。気づかなくて、ごめんね。」

といった言葉をかけてあげると、うつ病を患っている男性は

「自分の辛さを分かってもらえた」

と感じられるので、治療に前向きになれるのを期待できます。

それから、一緒に暮らしている男性パートナーがうつ病になった場合、治療をスタートさせた頃は一番症状がひどい状態なので、まずは

『ゆっくりと休養する』

のが先決です。だから、ずっと家で寝ていたりするかもしれませんが

「これも治療の内」

と思ってください。この最初の段階を「こじらせて」しまうと治療が長引くだけでなく、うつ病を悪化にも繋がるので、つい「イラッ」とする事があるかもしれませんが、どうか長い目で見守ってください。

男性、女性問わず、今うつ病を患っている人は分かっているだけで300万人~400万人いるとされています。

どちらの場合でも「自分がうつ病」という現実はとてもショックな事ですし、「出来れば隠しておきたい」と考えるのは無理もありません。しかし、これを隠せば隠すほど「うつ病からの回復は遠くなる」といえるので、男性はこうした面から見ても

『うつ病になると危険度が高くなってしまう』

のかもしれません。

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