男性で、最近
- 眠れない
- 仕事に対するやる気が前よりも減った
- 趣味や好きな事に興味がない、面白くない
といった症状があるという方、いらっしゃいませんか?
更にこうした症状と合わせて、もしくは上記のような症状はないけど
- 体のほてりや、大量に汗をかくようになった
- これといった原因がないけど、イライラする
- 気分が落ち込んだり、ふさぎがちになる事が多くなった
等を感じてる方、いらっしゃいませんか?
今お尋ねした症状を、男性は
「歳だから」
「もう若くないから」
「仕事が忙しいからだ」
と考えがちですが、実はこれ
『男性の更年期障害』
の可能性があります。
「更年期?男性で?!」
と驚かれるかもしれませんが、更年期障害は男性にも起こりますし、患者数が少ないわけではありません。ただ女性の更年期障害よりも、知られていない、気づかれていないだけなのです。そして、男性の更年期障害も女性の場合と同じように
『うつ病と間違われやすい』
という特徴があるので、
『知られていないけど、実は厄介な病気』
といえます。
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目次
1.男性の更年期障害について
女性の更年期障害というのは知っている方が多いでしょうし、更年期というと「女性特有」と感じている方も同様に多いと思うので、まず最初は男性の更年期障害についてお話していきます。
女性の更年期障害の原因の一つがホルモンバランスであるように、男性の更年期障害にもホルモンの影響が一つの要因と考えられています。
この男性の更年期障害に影響を及ぼすホルモンは
「テストテロン」
と呼ばれるホルモンです。
テストテロンは筋肉増強や精神的な活動を活発にする時に作用するホルモンですが、これが加齢やストレスといったので減少してしまうと
- 精力減退
- やる気が出ない
- 気分が落ち込みやすい
といった症状がみられるようになります。
テストテロンの減少が原因の男性更年期障害であればホルモン治療等で回復できますが、これがもしも「うつ病」による症状の場合だと、治療法が根本から違ってきます。
ここでもし、
- 仕事によるストレス
- 家族や身近の人を亡くした
という
「うつ病になるのが考えられる要因」
といったのがあれば、うつ病を考えても間違いではないでしょう。
しかし、そういった理由がなく「やる気がない・イライラする」といった症状があるなら、うつ病よりも男性更年期障害を考えた方がいいかもしれません。
2.放っておくと怖い男性更年期障害
女性の更年期障害よりも、ずっと気づかれにくい男性の更年期障害は、仮に気づいたとしても
「放っておいたら、いつか治まるだろう」
と思う人が多い為に、
『特に治療をせずにやり過ごしてしまう』
という形になりやすいのですが、目次1でお話した男性の更年期障害を起こすきっかけとなるテストテロンが減少すると、
- 癌
- 心筋梗塞
- 脳梗塞などの脳血管にまるわる病
といった
「死に直結する病」
にかかるリスクが高くなる危険性があるそうです。
また女性の更年期は閉経後から5年前後で終わるという一つの目安のようなものがあり、これを過ぎると更年期障害も治まる可能性があるそうですが、男性の場合はこうした「〇〇年で終わる」という目安がありません。
ですから、治療をしないでいると症状が改善されずに毎日不快な思いをして過ごす事となります。そうなると、
「放っておいていいものではない」
と感じて頂けるのではないでしょうか?
ちなみにテストテロンの減少は血液検査で分かります。そしてこれを調べる事で
「男性更年期障害かそうでないか」
を知れるので、その為にはやはり「医療機関の受診」が必要事項となってきます。
3.うつ病と男性更年期障害の判断の難しさ
ここで、
「うつ病と男性更年期障害の判断の難しさ」
について紹介していきます。
うつ病か?それとも男性期更年期障害か?というのは、実は
「医師でも判断が難しい」
とされています。それはなぜかというと、どちらも症状に
- 眠れない
- 食べれない
- イライラする
- 気分が落ち込む
- 体のほてり
というのがあるからです。
また女性の更年期障害は閉経や年代といったポイントがあるので、本人も周りも「もしかして更年期障害かな?」と考えやすいのですが、男性更年期障害はまだそれほど知られていないのがあって、本当はこの病だけど
「もしかして、うつ病なんじゃ。。。」
という思い込みに近い考えが浮かんでしまい、
「うつ病かも」と思い、精神科や心療内科を受診 ↓ 治療を開始 ↓ 治療をしているけど、改善や回復が余り感じたい ↓ 「治らないのではないか」という不安感が増す
というのがずっと繰り返される形となってしまいます。もちろんこれは
「うつ病かと思っていたら、男性更年期障害だった」
というパターンもあります。
だから、どちらの場合でも
『思い込まずに、専門の医療機関を早めに受診する』
ようにしましょう。
4.うつ病か、男性更年期障害か迷ったら。。。
医師でも判断が難しいうつ病と男性更年期障害を、私達が
「うつ病だな」
「男性更年期障害だな」
と素人判断するのは、その後の治療に大きな影響が出るだけでなく、
『完治出来るものが出来ない』
という状況に作ってしまいます。
しかし、各々に共通する症状があると、いざ病院を受診しようと思っても
「どこを受診したいいのだろう?」
となります。
そこでもし、うつ病か男性更年期障害かどちらか分からず、どの科にしたらいいか迷った場合、
- 泌尿器科
- 更年期外来(男性)
- 精神科や心療内科
を受診してみてください。
上の3つについては
「男性が受診しやすい順番」
にしていますが、もしも「明らかに、うつ病と思われる」、「男性更年期障害だと感じる」といった場合はこの順番ではなく、更年期外来(男性)や精神科・心療内科を速やかに受診してください。
ところで、更年期外来の後ろに『(男性)』とカッコ書きにしているのは、更年期外来と表示してあっても「女性専用」としている場合もあるので、あえてカッコ書きにして
「男性の患者さんを診察してくれるところ」
を強調してみました。
このような事情があるので、もしも更年期外来を受診する場合はあらかじめ
「男性の患者も診てもらえるか?」
というのを確認してください。
また精神科や心療内科を受診する時は、
「患者さんから症状や普段の様子を尋ねる」
問診が診察のメインとなるので、予約が必要な場合が多いのでこちらも突然「受診をお願いしたいです」と行くよりかは、予約の有無や必要であれば予約をしてから行った方がベターです。
5.誤解を防ぐ為にも「早期受診と治療」が大切なカギ
最後に、男性の方へアドバイスという程ではありませんが、うつ病も男性更年期障害も
『早期受診と治療』
が、その後の生活を問題なく過ごす為の大切なカギとなります。この2つが大切といえるのには、
「うつ病か男性更年期障害か、はっきり分かる」
というのは勿論ですが、
- 治療期間が短くて済む
- 薬の量が少ない、または薬を使わずに治す事が可能
というメリットもあります。
治療が短期間で済むということは、それだけ完治しやすいともいえます。また
「余り周りに知られたくない」
「家族に気づかれずに治療を終わらせたい」
という希望も可能になります。この希望は症状が進行すればするほど叶わなくなるので、そうした希望がある場合は特に早期受診と治療が必要不可欠となってきます。
また、もう一つ気づかれづらいのが、うつ病や男性更年期障害の症状で
- やる気がでない
- 体がだるい、重く感じる
- 前よりも行動力や作業力が低下している
といった症状がある場合は、周囲から
「甘えてる」
「怠けてる」
「仕事したくないだけなのでは」
という「偏見に近い誤解」を招いてしまいます。そしてこの周囲の間違った感情から、うつ病や男性更年期障害を悪化させてしまうというケースは、実はとても多いものです。
そして症状が悪化すると、それだけ
「うつ病か?男性更年期障害か?」
という判断がつきにくくなりますし、パニック障害などの他の症状をよんでしまう可能性も高くなるので、そうななると改善や完治というゴールは遠くなってしまいます。
だから、もしも「あれ?」と思ったらその時点で目次4で紹介した専門の医療機関を受診しましょう。そうすると『早期受診、治療』が行えるので、改善・回復が断然しやすくなりますし、周りからの誤解を防ぐのにも繋がっていきます。
まとめ
以前TVで女性の更年期障害についてやっていた時に、ふと主人に
「男性でも更年期障害はあるんだよ。」
と話したら、「え!女性だけなんじゃないの!?。」とかなり驚いていました。そして同じ事をママ友さん達にも話したら、皆「え!うそ!?。」と主人と同じ態度を取っていたので、
「女性の更年期障害の認知度はそれなりにあるけど、男性の更年期障害についてはまだまだなんだな」
というのを実感しました。
そして、この男性の更年期障害を知らない為に、症状が似ている『うつ病』と間違われやすく、せっかく治療を行っていても
「改善や回復の兆しがない」
と思い悩む場合が多いので、そこから処方される薬の量が増えて副作用に苦しんだり、「治らないから」と転院を繰り返す「病院ジプシー」となるケースも結構多いと聞きます。
こうなってしまうと「治そう!」という意識よりも、「治さないと」というプレッシャーに近い意識が出てきてしまうので
「治るものも治らない」
という状況になるのは目に見えているといっても過言ではないと思います。
だから、
「あれ?」
と思ったら目次4でご紹介した科を参考に、早期受診・治療を行ってください。
「歳だから」
「しばらくしたら治るだろう」
と甘く考えていると、うつ病も男性更年期障害も後々『思いもよらぬ事態』を招いてしまいますよ。
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