最近うつ病の中で『新型うつ病』というのが注目されているといわれています。他のうつ病とはちょっと特徴がある、この病。その違いや原因そしてチェックポイントや治療・対処法についてまとめました。
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目次
1.新型うつ病とは何?
まず、うつ病の代表的なのとしては
- 大うつ病(一般的に「うつ病」といわれているもの)
- 双極性障害(抑うつと躁状態を繰り返す)
- 気分変調性障害(長期間、抑うつの状態が続いている)
といったのがあり、どれも
- 何をしていても楽しくない
- 元気な状態と無気力な状態を繰り返す
- 夜よく眠れない。朝から気分が嫌な感じがする。
というように症状が
『自分』
に向けて起こります。
対して新型うつ病は
- 私が残業しているのは、上司のせいだ
- 家事をしなければならないのは、家族が手伝わないからだ
- 私はこんなに頑張っているのに
- 会社が悪い、家族が悪い、私は悪くない
と、
『家族や会社』
といった周りの人に向けて出てしまいます。だから、この症状が出ると周りに必要以上に怒ったり、責めてしまうのでトラブルが多くなるだけでなく、
「トラブルメーカー」
と見られてしまう事があります。またこの新型うつ病特有の症状は、
「わがまま」 「自己中心的」
な人と思われてしまう為、新型うつ病を患っているというのを本人も周りも気づきにくいという特徴もあります。
2.新型うつ病の原因として考えられるもの
次に新型うつ病の原因というのは、一体どこにあるのでしょうか?
2-1.自己愛の強さ
新型うつ病の大きな原因。それは
『自己愛の強さ』
です。人は誰でも少なからず
「周りからよく見られたい」
という気持ちがあると思いますが、新型うつ病ではこの気持ちがとても強いので、もしも
『自分をきちんと見てもらえていない』 『私はこんなに頑張っているのに評価が低い』
と感じてしまうと、他人に抗議したり、責任転嫁するという形をとってしまいます。
2-2.嫌な事に対しての考え方
そしてもう一つ考えられる原因として
『嫌な物に対しての考え方』
というのが関係しています。
例えば自分の苦手な仕事ややりなくない仕事を任されたとしたら、大抵の人はそれでも仕事をこなしていきますが、新型うつ病の場合はちょっと極端ではありますが
「これをすると具合が悪くなる」 → 『ならしないでおこう。私がしなくても大丈夫』
「私はこれが得意!」 → 『じゃあ、得意なこれだけしよう』
というように
『嫌な事はしない』 『好きな事はする』
という物事、特に自分が嫌だと思ったり、苦手と感じている事に対しての考え方が新型うつ病になるきっかけとなっています。
2-3.親の過干渉や過度な期待も原因に。。。
実は新型うつ病には家族、特に『親』との関係も時には原因となる事があるといわれています。一番こういう風になってしまうのが、
- 親に何でもしてもらった (特に苦手な事ややりたくない事)
- 「親の言う事を聞くいい子」と常に言われていた
というように親からの過干渉や過度の期待といったのを受け続けて成長し、大人になって周囲との人間関係や会社などの社会環境に適応できないと状況となります。うつ病でない人だとこういった部分を慣れていく事で適応できるようになっていくのですが、新型うつ病の人の場合は
『こうなるのは周りが悪い、会社が悪い』
という考えてしまい、周りを攻撃するようになります。こうしたそれまで育った環境や親の接し方というのが発症に影響している考えられていますし、増えている患者というのはこうした影響を受けやすい10代後半~30代くらいまでの比較的若い人に多い傾向があります。
3.新型うつ病のチェックポイント
皆さん、こういった症状ありませんか?
3-1.こんな症状があるなら、新型うつ病かも。。。
ここで新型うつ病チェックポイントを、いくつかご紹介します。
やりたくない事をすると体調が悪い、好きな事をしていると楽しいといったのは一見
「それって単なるわがままじゃないの?」
と思われてしまいますが、これこそが新型うつ病の症状なので単に「わがまま」、「自己中心的」で片づけてしまうと、病状が悪化する危険性があります。
また過食や過眠といったのも、うつ病でなくてもよくある事ですが、チェックポイントにあるような周りを責めてしまうといった症状と合わせてしている場合には、新型うつ病になっている可能性が考えた方がいいといえます。
3-2.こんなタイプは新型うつ病になりやすいかも。。。
症状のチェックポイントを紹介したところで、合わせて
『新型うつ病になりやすい人』
というのについてもチェックポイントを紹介します。
新型うつ病の症状自体もですが、なりやすい人というチェックポイントも合わせて知っておくと、それまでは
「わがままな人」
となっていたのが、
「もしかして、新型うつ病の可能性があるかも。。。」
と感じられるので、早期発見と治療開始が出来るのではないかと思います。
4.新型うつ病の治療と対処法
最後に新型うつ病の治療と対処法についてまとめています。
4-1.新型うつ病は薬が効きにくい
新型うつ病は会社や学校といった
「自分が苦痛を感じる場所」
では抑うつ症状があるので、抗うつ剤等を使った投薬治療が行われます。しかし、他のうつ病と違って原因が性格的なものや考え方によるものなので、薬が効きにくい場合があります。そこで投薬治療と合わせて行って行く治療法として
『認知行動療法』
というのがあります。
4-2.新型うつ病からの回復に効果が高い認知行動療法
新型うつ病の治療法の一つとして行われる『認知行動療法』というのは、どういうものなのでしょうか?認知という言葉が示す通り、認知行動療法では新型うつ病の患者の行動を自分で記録して
- こういう時に自分はこう思った
- こう言われたから、こういう風な行動をとった
というのを「認知=認めて、知る」事を目的としています。
この認知行動療法によく使われるのが日記のような記録表作りです。記録表の作り方というのは色々ありますが、必ず書かなければいけないのは
「その日の出来事や行動」 「出来事や行動に対しての自分の気持ち」
です。一例を挙げると
出来事:会社の上司が急に出張の同行を頼んできた。
↓
急な事だし、勝手に決めた事だったので
「同行は出来ません。」と断った。
↓
上司から「アシスタントの君も一緒に行ってもらわないと
今後の業務に支障がでる」と言われた。
↓
「具合が悪いので帰ります。」と早退した
~この出来事に対しての気持ち~ 何で私が出張に同行しないといけないの?しかも勝手に決めてるし。
いくら上司だからって、そんなの勝手に決めて言い訳ないでしょ!
私は悪くない!勝手に決めた上司が悪い!
といった感じです。ここでポイントとなるのが、この後しばらく時間が経って
『冷静になってから、この行動記録を見直す』
そしてその時の気持ちを書き足す事です。上の例からだと仮に冷静になって見直してみると
「確かにアシスタントしているのは私だけだから、私が一緒に行かないとダメだったんだな。明日、ちゃんと謝ろう」
と振り返る事が出来ます。そしてこの行動記録の一連の流れが、
「こういう時は、こうした良いんだ」
という対処マニュアルともなるので、段々と新型うつ病の症状が落ち着いてくる効果があります。この認知行動療法を行った結果、新型うつ病の症状が良くなったり、薬を使わなくても治す事が出来たという患者もいるので回復や完治に効果がある新型うつ病の治療法といえます。
4-3.甘えは禁物。だけど患者を上手く褒める、そして少し頑張る
新型うつ病と診断されると、中には
「うつ病なので休職します」
と会社を休職する人がいます。止むを得ないといえばそうなのですが、ここから
「私は新型うつ病だから、仕事しなくていい。会社に行かなくていい」
と思うようになったら、この病気は治りません。こうした「甘え」ともとれる考え方は人よりも自己愛が強い新型うつ病の場合は、症状をひどくさせてしまう結果となってしまいます。だから
『甘えは禁物』
というワケなのです。
次に周りの人の対処法として、
「自分を認めて欲しい」
という新型うつ病になっている人の気持ちを少しでも解消させてあげる事というのがあります。これも例を挙げると
「最近、前よりも仕事が早くなったね。」
「貴方がしてくれるから助かるよ。」
と何気ないけど一言です。「そんな事で?」と思うかもしれませんが、
「あ、私、認められてる。褒めてくれてる」
と思うようになるので病気が落ち着いてくる効果があります。新型うつ病の人をいかに上手く褒めるか?ちょっと難しいかもしれませんが、これが新型うつ病の患者と周りの人とのトラブルを防ぐには有効な対処法となるでほう。
「けど、どうやって褒めたら良いの?」
と思ったら、日頃のちょっとした事でも構わないのでそれを織り交ぜながら
「貴方を認めているよ」
という気持ちで伝えれば大丈夫です。
最後の
『少し頑張る』ですが、他のうつ病では「頑張る」は言わない方がいいし、してはならない事です。けど自己愛が強く、どちらかといえば余り「頑張らなきゃ」とは思わない新型うつ病の場合は、
「もうちょっと頑張ってみよう」
という気持ちが甘えを起こさないし、周りから認められる事も多くなるのでこれも対処法といえます。ただ頑張った後は
『こんなに頑張っているのに!』
という気持ちを起こさない為に「息抜き」や「ガス抜き」が必要となります。
この少しの頑張りと息抜きのバランスは新型うつ病を治すポイントになってくると思います。ところで、新型うつ病の息抜きやガス抜きには
「自分が認められる」
「自分が輝ける」
といったのが必要になるので、趣味の教室に通ったり、好きな事のサークルに参加するという方法が良いのではないかと思います。
まとめ
体調に症状が出てしまって、うつ病の発見に気づきにくい仮面うつ病と同じように、
- わがまま
- 自己中心的
- 嫌な事があると周りを責める
という新型うつ病の症状からみると、行動にでてしまう新型うつ病も、うつ病の中では「気づきにくい・分かりづらい」うつ病といえるのではないでしょうか。
そんな新型うつ病はに自分の行動や気持ちを把握する事で症状を抑える事が可能なので、うつ病の中で新型比較的
『薬を使わなくても治る可能性があるうつ病』
といえるのかもしれません。
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