女性は男性の1.5~2倍くらい「うつ病」になる確率が高いといわれています。それはナゼか?というと女性の場合、結婚や出産そして家族の介護と生活環境が大きく変わる事が男性よりも多いからです。そしてもう一つ、女性ならではの理由が
『閉経』
『更年期』
です。更年期うつ病というのは症状が更年期障害と似ている為に、
「最初は更年期障害と診断されたけど、実は更年期うつ病だった」
という風に発見される事がよくあります。これは医師の誤診というよりも、それだけ症状が似通っているので医師でも判断が難しいと考える方が正しいでしょう。
そんな更年期障害と「似て非なる」更年期うつ病について、これから紹介していきます。
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目次
- まず更年期障害について知ろう
- 更年期うつ病発症に繋がる体と環境の変化
- 過去にうつ病や抑うつ症状があった人は要注意
- 更年期うつ病どうやって治療していく?
- 更年期障害と決めつけないのが、更年期うつ病を早期発見する近道
1.まず更年期障害について知ろう
更年期うつ病を紹介する前に、まず
「更年期障害とは?」
について少し説明します。更年期というのは女性が閉経してからの約5年程の期間をいいます。人によって閉経には差がありますが、大体40代前半~50代半ばで起きるといわれています。また閉経前のホルモン分泌の不安定が原因による「閉経移行期」という時期にも、更年期障害に似た症状が出る場合もあります。
更年期障害になると。。。
更年期障害になると、
- 体のほてり、発汗
- 眠れない
- 頭痛、肩こり、腰痛
- イライラする
- 気分の落ち込み
といった症状が現れ、これらの症状は更年期うつ病でも同じなのですが
「閉経」
というワンポイントがある為に
「更年期障害だから」
と見落とされがちです。
更年期障害が重い場合だと婦人科を受診したりするので、ここで更年期うつ病と発見されるケースもありますが、軽い場合だと多くが婦人科を受診しないのでそのまま更年期障害だと思い込んでしまうので、更年期うつ病が治らないままとなってしまいます。
2.更年期うつ病発症に繋がる体と環境の変化
更年期障害の原因が
「閉経によるホルモンバランスの乱れ」
だとしたら、更年期うつ病発症の原因はどこにあるのでしょう?
更年期うつ病になる原因として考えられるのには、更年期障害同様の「閉経によるホルモンバランスの乱れ」おいう体の変化もありますが、それ以外に
- 子供の独立
- 親族や身近な人を亡くす
- 自分や家族の病気や介護
という環境的な変化があります。例えば
- 子供が独立や結婚といったので家を出る(母親としての役目が軽くなる、空の巣症候群)
- 主人を亡くして、それまでの家での立場が変わった(家長としての役割の発生)
- 自分の病気治療や実父母や義父母の介護(精神的・肉体的不安や負担が大きくなる)
といったのです。どれも女性であれば1つは体験する可能性が高いものではないでしょうか?それから働いている女性であればこういったのにプラス
- 職場を退職する
というのもそれまでの生活環境と大きく変わってくるので、これも更年期うつ病の原因の一つになります。勿論、それまで専業主婦または仕事から離れていた女性が、仕事に出るというのも環境変化となりますから更年期うつ病になる可能性はあります。
更年期うつ病については閉経による体の変化もありますが、こうした
『それまでの環境とガラリと変わる』
事が発症の原因としては大きいと考えられていますし、実際にこうした環境の変化によって更年期うつ病になる女性は近年多くいます。
3.過去にうつ病や抑うつ症状があった人は要注意
更年期障害ととても間違えられやすい更年期うつ病。閉経してしまうと
「更年期だから。。。」
とやり過ごしてしまうという人が多いと思いますが、それ、ちょっと待ってください。もし過去に
- うつ病と診断された事がある
- 気分の落ち込みや不眠といった抑うつ症状を感じた事がある
といった方の場合は
「うつになりやすい、因子がある」
と考えて安易に「更年期だから」とするのは止めましょう。
もしかしたらそれは更年期障害ではなく、更年期うつ病によるものかもしれないからです。症状が似ている分「どちらなのか?」という見極めは難しいものがありますが、ポイントとして
- 更年期障害の症状で婦人科を受診、投薬治療を行っているが効果が見られない
- 気分の落ち込みや不眠等が2週間以上続いている
というのがあったら、更年期うつ病の可能性が高いので婦人科よりも心療内科を受診を考えた方がいいでしょう。また数は少ないですが、
「更年期外来」
という診療科があるので「もしかしたら。。。」と思った時、ご自宅や職場の近くにそんな医療機関があったら、そこを受診してみれば更年期うつ病なのか、更年期障害なのか?というのがはっきり分かります。
更年期外来のある医療機関を調べるにはインターネットなら「更年期外来」で検索すれば、ズラッと出てきますよ。
4. 更年期うつ病はどうやって治療していく?
更年期障害だと思っていたのが、医療機関を受診したら
『更年期うつ病』
だったとして、どうやって更年期うつ病を治療していくのでしょうか?更年期うつ病の治療にはいくつかの種類があって、例えば閉経によるホルモンバランスの乱れが原因と考えられるなら
「ホルモン補充療法」
といって閉経で不足したホルモンを補ってバランスを整えていくという治療法があります。ホルモンバランスのせいで更年期うつ病となっている場合には効果が高いのですが、長期間続けると
「乳がんにかかるリスクが高くなる」
というデメリットがあると考えられているので、これだけで更年期うつ病を治療していくというよりかは抗うつ薬や抗不安薬といった他の薬を組み合わせたり、少し間をおいてから再度治療を行うといった形が多いです。
また環境的な変化や更年期うつ病になった患者さんの「考え方」といったのが原因になっている場合は、自分の行動パターンや物の考え方を知って、
「うつ病にならない、抑うつ症状を起こさない自分を作っていく」
認知行動療法という治療法もあります。認知行動療法の場合は自分の考え方の「クセ」を見つけて、更年期うつ病にならないように修正していくという方法なので、基本的には薬は使いません。実際に「薬を使わないで、うつ病を治せた!」という患者さんが多いそうです。
5.更年期障害と決めつけないのが、更年期うつ病を早期発見出来る近道
眠れない、イライラ、気分の落ち込み。どれも更年期うつ病と更年期障害に共通している症状ですが、だからといって、
「閉経したから、この気分の落ち込みは多分、更年期障害だわ」
と思い込んでしまうと抑うつ症状が改善・回復とはなっていないので、
「更年期障害の治療をしているのに治らない」
となってきます。
この「治らない」というのも思い続ければ更年期うつ病を発症するきっかけになり兼ねないのですが、ずっと治らないままだ患者さんだけでなく、家族にも影響が及ぶ可能性が高くなります。
そうなると貴方の更年期うつ病だけでなく
「家族がうつ病を発症」
する危険性が強くなります。
そこで「更年期だから。。。」と決めつけないようにして、更年期うつ病というのも視野に入れると
『更年期うつ病を早期発見できる近道』
になるのではないかと思います。
まとめ
私は更年期と呼ばれる年代につい最近入りましたが、まだ閉経はしていません。けど同じ年代や年上の友人の中には更年期障害を患っている人がいて、話を聞いていると
「もしかして、それ更年期うつ病かも」
と思い、何度か
「それ、もしかしたら更年期うつ病かもしれないよ。一度きちんと診てもらった方がいいよ。」
と友人に言った事がありました。
私のそんな一言を「そうかもしれない」と受け止めて、婦人科を受けた友人は案の定、更年期うつ病で今治療中です。
- 閉経した
- イライラ、眠れない、気分が落ち込んでしまう
と、この2つだけで直ぐに「更年期障害だから」と決めつけるはもしかしたら、それは「決定が早過ぎる」といえます。
「更年期障害かもしれないけど、更年期うつ病の可能性もあるかもしれない」
と思うのが、症状が似通っている2つの病を見極めるベストな方法といえるのではないでしょうか。
貴方のその症状。本当に更年期障害ですか?