今、貴方が働いている職場で「上司」と呼ばれる立場だとして、もしも
「もしかして、彼はうつ病なのでは?」
「最近、彼女の様子が前と違って、ふさぎ込んでいる事が多いみたいだけど大丈夫かな?」
という社員がいたら、どうしますか?そのまま様子を見ますか?それとも何か行動を起こしますか?大抵の人の場合は、気づいたとしても
「どう対処したらいいか分からない」
と思うので何もしないままとなってしまいます。その思いは分からなくもありませんが、これが貴方の職場の社員のうつ病発症に繋がっていくのは間違いありません。
また部下や同じ職場で働く仲間のうつ病のサインを見逃したり、メンタルヘルスケアが出来ないという状況は休職者や退職者が出る確率が高くなります。そうすると仕事量や残業の増加を招くので、その影響で上司である貴方自身のメンタルヘルスも不調をきたす事にもなるでしょう。
皆さん、『傾聴』という言葉をご存知でしょうか?これは「相手の話に耳を傾けて聴く」という事。この傾聴が出来ると、職場の仲間や部下のメンタルヘルスケアを上司である貴方が行えるようになります。
「部下、仲間そして貴方の心の健康を守る」
そんな事が出来る『傾聴』について、まとめてみました。
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目次
- メンタルヘルスケアは人事や労務だけが担当じゃない
- 今、上司に必要とされる『傾聴=聴く』というメンタルヘルスケア
- 傾聴の基本は相手の話に「しっかり、じっくり耳を傾けて聴く」
- 傾聴は「いつ」したら良い?
- 「もしかして。。。」と思った、その時は?
1.メンタルヘルスケアは人事や労務だけが担当じゃない
上司や職場の管理者という立場の人というのは、普段は部下に仕事の指示をしたり、状況判断や決済事項の確認や承認といった様々な仕事を抱えています。だから多忙なのは当然です。だから中には
「職場のメンタルヘルスケアって、会社の事だから人事や労務の仕事じゃないの?」
「上司や管理者の仕事で手一杯なのに、職場のメンタルヘルスケアなんて。。。」
と思っている方は多いでしょう。
しかし本当に職場のメンタルヘルスケアは人事や労務の仕事なのでしょうか?確かに社員の健康や福利厚生に関する事というのは人事や労務の担当といえますが、
「社員の職場での勤務姿勢」
というのを人事や労務が日々つぶさにチェックする事ができるでしょうか?仮に社員数が少なくて、1フロアで全てが見渡せる会社や家族経営のような小さな会社であれば、それは可能かもしれません。
しかし社員数が多かったり、支店がいくつもあるような会社であれば人事や労務というのは本社におかれているので、職場一つ一つに対してのメンタルヘルスケアというのは不可能となります。そうなると、職場のリーダーである
「上司」または「管理者」
と呼ばれる立場の貴方が職場のメンタルヘルスケアの担当になるでしょうし、それは当然ともいえます。また最近、うつ病や心身症といった精神障害の労災認定の基準が新しくなり、以前よりも分かりやすくなりました。という事は、今後
「精神障害による労災認定の申請が増える」=「申請者や家族が会社や職場のメンタルヘルスケア不備を指摘する」
というのが多くなってきます。もしこういった形が多くなれば、貴方の職場でも起こりえるケースで尚且つ
『職場の上司の責任』
というも問われる事となります。ここまでお話すれば、
★メンタルヘルスケアは人事や労務だけが担当じゃない
というのが分かって頂けたのではないでしょうか?
2.今、上司に必要とされる『傾聴=聴く』というメンタルヘルスケア
皆さんの上司というイメージはどんなものでしょう?大抵の場合、
仕事の指示を出したり、その部署のまとめ役
というものだと思いますし、そこから
- ワンマン
- あれこれ指図だけして、困っている時は知らん顔
というイメージもあるでしょうし、中には
「セクハラ、パワハラ、会社でうつ病となった時の原因」
というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか?
上司や課そして部のトップと呼ばれる人は、仕事の指図を含めた
「いかに職場内の仕事がスムーズに行えるか」
というのが職務の一つです。だからその為には厳しくなる事もあるので、そこから周囲との軋轢が生まれるという話も少なくありません。
しかし今の上司と言われている人にはこうした仕事面だけでなく、職場環境を守り、一緒に働いている人がうつ病になるのを防ぐ
『傾聴=聴く』
というスキルが必要になってきます。傾聴は読んで字のごとく
『耳を傾けて聴く』
です。では一体何を聴くのか?それは
「部下や職場で一緒に働いている人のうつ病の原因になりそうな心の負担や悩み」
です。
数年前から国の推進によって、これからの会社ではメンタルヘルスケアやうつ病や心身症といった精神疾患の社員へ対しての、休職処置や復職フォローといったのが「義務」となっていく方向になっています。
そうなると貴方が上司としてトップにいる職場については、貴方にメンタルヘルスケアのスキルがないと、十分なケアは出来ません。そしてそれによってうつ病などで休職や退職をした社員から、会社が訴えられるという自体となれば、上司である貴方の責任問題も追及されるのは間違いないでしょう。
職場でのメンタルヘルスケアは
「うつ病になるのを防ぐ」
というのもありますが、これ以外に
- 職場内の仕事が、よりスムーズに進む
- 部下や同僚といったのを関係なく話が出来るので、コミュニケーションが上手く取れるようになる
- 職場環境が良くなる
という効果もああります。これを行えるようにする為には、一緒に働いている人の悩みや心の負担に耳を傾けて聴くという作業が必要不可欠となってくるでしょう。傾聴が出来るようになれば、
- 自分の職場の人間をうつ病から守れる
- 職場環境を自分で改善できる
というメリットがあるし、職場の人からは「仕事以外で頼れる上司」として一目置かれる存在となってくると思います。それは上司としては嬉しい評価ともいえるのではないでしょうか。
仕事が出来るのを今までの上司の基本とするなら、これからの上司はプラス
『傾聴でメンタルヘルスケアが出来る』
というのが必要になってくるのではないかと思います。
3.傾聴の基本は相手の話に『しっかり、じっくり耳を傾けて聴く』
ここからはメンタルヘルスケアになる傾聴の基本について紹介します。傾聴というのは「傾けて聴く」ですから、モットーとなるのは
『相手の話を、きちんと受けとめる』 『自分の意見や考えを言わない』
です。
「上司」という立場になると、つい自分主体で話したり、意見や考えを言いたくなりますが、これは傾聴ではなく「お説教」となりますから、言いたくなる・話したくなるという気持ちはここではどうぞ胸にしまって、相手の話を聴いて
- 気持ちや考え方を肯定的に受け入れる
- 話のテンポを合わせる
- 相手が説明しづらい感情や伝えたい事を正確に理解する
というのに終始努めてください。 うつ病になる・なりやすい人というのは、自分が心に抱えている不安や今起こっている問題そして負担や重荷と感じている事を、周りに話そうとせずに抱え込んでしまっています。そして「自分が我慢すれば」、「話しても分かってもらえない」という気持ちが強くなって、抑うつ状態となりうつ病になってしまいます。
だから、まずは『傾聴』をする事で、相手が抱えている負担や悩みというのを軽くするというのから「職場のメンタルヘルスケア」は始まります。傾聴をすると、相手としては
「自分の話を聞いてもらえた」
と感じるので心に抱えているものを少し軽く出来たきぶんになります。だから、まずは
『相手の話にしっかり、じっくり』耳を傾けて聴いてみましょう。
4.傾聴は「いつ」したら良い?
傾聴の基本が分かったところで、次は「いつ」傾聴をしたらいいのでしょうか?傾聴は相手の話に耳を傾けて聴くものではありますが、仮に
「どこか会議室みたいな一室で一対一で」
というふうにすれば、部下の立場の人からすれば緊張感を感じてしまい、話したくても話せなくなってしまいます。だからタイミングとしては、仕事の報告や連絡をしに来た時に
「何か困っている事ない?。」
といった感じで聴くのが良いです。これ以外にも例えば
- お昼休み
- 出張や営業での同行中
といった時といったのもあります。それから煙草を吸われている人で、喫煙室で吸っているというのであれば、その時に声をかけるのもタイミングとしては良いでしょう。
じっくり耳を傾けて聴くけど構える必要は聴く方も、話す方にも不要です。だから、最初のタイミングは「ちょっした合間」というのがベストだと思います。
「面と向かって言えないなら、メールでも構わないよ。」
というような声かけも良い方法です。
こんな時は一度傾聴してみよう
傾聴のタイミングのポイントは上で紹介したような
「仕事中だけど、ちょっと仕事から離れた時」
というものですが、もしも
- 長時間労働や残業が多い
- 昇進などの人事異動
- 最近仕事のミスが増えたり、集中力がない
と人がいる場合、その人はうつ病になるリスクが高いです。
なぜなら、長時間労働が多くなると帰宅時間が遅くなる、または帰れなくて会社に泊まり込みなんて事になっているので、寝れない・食べれないという状況に陥りますし、仕事に対してのストレスも大きくなっています。
昇進などの人事異動も、それまでにない新しい環境だったり周囲からの「頑張れ」や期待がプレッシャーとなって心には大きな負担となってしまいます。
だから自分の部下や職場でこういった人がいる場合は、
「うつ病になりそうな要因がある」
と考え、本人が平気そうに見えても一度傾聴してみた方がいいでしょう。
5.「もしかして。。。」と思った、その時は?
傾聴をしてみた結果や、「もしかして、うつ病なんじゃ。。。」と思い当たるフシがある社員が、貴方の職場にいる場合は、上司として早急にその人に医療相談を受けさせる必要があります。この時、上司である貴方が
「一度、心療内科に行ってみては?。」
と言っても
「大丈夫です。ちょっと疲れているだけです。」 「私を、うつ病だと思っていませんか?そんな事ありませんから。」
という答えが返ってくるかもしれません。
そこで上司である貴方が「そうか。」とそれを鵜呑みにしてしまうと、うつ病の発症や自殺という最悪の事態も防げません。もし貴方が心療内科への受診を進言してみて聞く耳を持たないといった時は、産業医がいる会社であれば産業医から心療内科の受診を促してもらうという方法があります。
もし産業医がいない会社であれば、人事や労務担当者に相談をして
「会社として社員の安全を守らなければいけない義務があるので、心療内科を受診して下さい」
という前提で勧めてみるという方法だと、該当する社員も「会社からの指示なら」と心療内科の受診に応じてくれるでしょう。
また全国各地や主要都市にある精神保健福祉センターや地域産業保健センターの問い合わせ窓口を
「こういう窓口があるらしいから、僕の気苦労ならそれでいいんだけど、ちょっと電話してみたら。」
と教えたり、上司である貴方が窓口に相談してみて、うつ病の可能性があるか?抑うつ症状ではないか?というのを把握して、会社の人事や労務へ相談し適切な対応が出来るようにするのも、今後、職場のトップである貴方の役目となるでしょう。
↓
人事や労務に相談して社内でメンタルヘルス対策やチームを作るきっかけとなる
こんな上司がいる会社というのは、職場の仲間や部下としては頼もしい存在となるんじゃないかと思いますし、そんな上司の元であれば仕事のしやすさや質も違ってくるのではないでしょうか?
うつ病は一度なると完治に至るまではなかなか難しいし、症状も一進一退です。しかし、決して治らないものではありませんし、傾聴で「うつ病になりそうなサイン」を感じ取れれば仮にうつ病となったとしても早期治療が行え、回復も早くなります。
ですから、普段から上司と部下という仕事だけの部分だけでなく、うつ病を防止できる傾聴というメンタルヘルスケアを身につけている上司の存在というのは、国の推進で社員のメンタルヘルスケアの充実と強化が進んでいる以上は、会社経営という部分でも大きく関わってくるといえると思います。
まとめ
仕事をバリバリとこなす上司というのも格好いいかもしれませんが、貴方がバリバリと仕事をしている時に職場の仲間や部下が心にストレスや負担を抱えていたり、うつ病になったら、どうなると思いますか?もしそうなったら、職場環境が悪くなるだけではなく、上司としての責任も問われるでしょう。
そして「どうしてあの時、もっときちんとケアしてあげれなかったのだろう」という思いから、今度は貴方がうつ病になるという可能性もないとはいえません。
ここで紹介した『傾聴』は決して難しいメンタルヘルスケアではありません。
「しっかり、じっくり耳を傾けて聴く」
このポイントと傾聴するタイミングを抑えておけば、今からでも始められるメンタルヘルスケアです。
上司やトップと呼ばれている皆さん。毎日のハードスケジュールは大変かもしれませんが、職場の全員が快適に仕事が出来るように、ここは『傾聴』というメンタルヘルスケアが出来るように一肌脱いでみませんか?
もし、傾聴が出来るようになれば、うつ病や心に負担を抱えている社員にとっては、困った時に助けてくれるスーパーマン的な存在となるかもしれません。
そんな存在に慣れる上司ってストレスの多い今の会社ではどこであっても必要になってきますし、今後はそんな上司が「素敵な上司」、「カッコいい上司」と言われるのではないかと思います。
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