「学校へ行きたくない。」
もし、お子さんにこう言われたら貴方はどうしますか?
もちろん「えっ!」と驚くでしょうし、「なんで?どうして?」と理由をあれこれ探すでしょう。この「学校へ行きたくない。」、不登校という状況だけではなくその後ろに実は
『子供のうつ病』
が隠れているのを、ご存知でしょうか?
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目次
- 子供が「学校へ行きたくない」となるきっかけは?
- 発達障害の可能性がある「学校へ行きたくない」
- 「学校へ行きたくない」の一言が出たら、じっくり話を聞いてみる
- 不登校は、実は『子供のうつ病』の症状の一つ
- 話を聞く、休ませても効果がない場合は専門医へ
1.子供がうつ病になるきっかけは?
まず最初に、子供がうつ病になるきっかけについて考えていきましょう。子供がうつ病になるきっかけNo.1と言っても過言ではないのが
- いじめ
- 友達同士のトラブル
です。私の経験上いじめを受けていると精神的そして時には肉体的疲労が大きく、また自殺という悲しい結末を選んでしまう危険性がかなり高いです。また友達同士のトラブルも、最初は小さなものでもクラス全体を巻き込むといった事態に発展すれば、いじめに変化していくのは皆さんもご存知ではないでしょうか?
こうしたきっかけ以外の理由として挙げられるのには
- 転勤や進学の為の引っ越し
- 家族からの虐待
- 両親の離婚や再婚
- 受験
- 弟、妹が出来る
等があります。大人のうつ病の場合、うつ病の原因を「これ」と特定したり、きっかけが何だったか?というのを知るのは難しい場合がありますが、子供の場合はここに挙げただけでも7つのきっかけがあるのを考えると、
『きっかけが何か?』
をいうのを比較的知りやすいといえますし、ここで挙げた7つの理由に当てはまる出来事があった場合は
「子供が心に負担を抱えやすい状況」
として、いつもより会話や一緒に遊ぶといったコミュニケーションを増やして、
『子供の心の負担になっているきっかけを掴みやすくする』
のを心がけると、「学校へ行きたくない。」となった理由が早く分かり対処が速やかに出来るので、子供のうつ病の早期回復に繋がる効果も期待出来ます。
意外と多い進級時の4月に多い「学校へ行きたくない」
進級し、新しいクラス・先生となる4月。前の学年でのクラスで同じだった友達もいますが、同じクラスではないし、先生も違えばそれまでのクラスでの過ごし方に変化が出てきます。そんな中で、
- クラスに馴染めない
- 友達作りが上手く出来ない
- 先生に慣れない
といった事から「学校へ行きたくない」という子供が多く見られるそうです。クラスでの過ごし方の変化に対応したり、新しい友達関係を構築していくというのは大変な労力を要するでしょう。実は我が家の長女がこれで進級した4月~5月半ば頃まで体調不良を訴えたり、「学校へ行きたくない。」と口にしていました。
こうした状況、私もかなり昔に小学生でしたし、転校そして不登校も経験していましたから慌てず騒がず、まず担任の先生に相談して、休み時間に保健室に行って養護の先生と話をさせてもらえるようにしたり、出来るだけ友達と遊ぶように声掛けをしてもらったら、次第に「学校へ行きなくない。」と言わなくなりました。
こうしたストレスを抱えやすいので4月~5月頃といった時期は、いつもよりも少し注意して子供の様子を見た方がいいかもしれません。
2.発達障害の可能性
大人には大人の世界があるように、子どもにも子供の世界があります。そんな子供の世界で起こるいじめや友達同士のトラブルといったのとは別に、例えば
- 友達と意思疎通が出来ない
- 学習が出来ない
といったのが見られれば、これはアスペルガー症候群、ADHDといった
『発達障害』
『学習障害』
に原因があるかもしれません。
これらの障害があると自分の考えや気持ちを伝える、そして相手の考えや気持ちを受け止めるというのが出来ません。だから友達同士の喧嘩が絶えなくなるケースが増えます。
また学習が出来ないというのも、単に「教科書のここが分からない」というのではなく、
- 「あ」「い」と文字は読めても、文章が読めない
- 数字は分かるけど、計算が出来ない
というのであれば勉強が分からない、ここが分からないといったのではないので、それがストレスや子供のうつ病を引き起こしている原因となるので、この場合は
『何らかの理由で、この子の学習する事に対しての障害が起きている』
と考えた方がいいといえます。
こうした理由での「学校へ行きたくない」の場合は、その子が持っている障害が原因となっているので、発達障害センターや子育て支援センターに相談してみましょう。もし、お子さんが通っている小学校や中学校に「スクールカウンセラー」の先生がいるなら、その方に相談してみるのも一つの方法です。
スクールカウンセラーはこうした発達障害、学習障害についての相談を聞いてくれるだけではなく、専門機関の情報等も教えてくれるので、今後どうしていたらいいか?というのが判断しやすくなります。
3.「学校へ行きたくない」の一言が出たら、じっくり話を聞いてみる
子供の心の負担や目次2で紹介した学習障害、発達障害等が理由の「学校へ行きたくない」。どちらの場合でも、まずこの一言が出たら「だめ!行きなさい!。」と言うのではなく
「どうしたの?何かあったのかな?。」
と、じっくり話を聞いてみましょう。
この時、小学校の高学年であれば自分の気持ちや考えをスラスラと言えますが、低学年・中学年といわれる学年だと上手く言えなくて話がなかなか進まないかもしれません。
大人なら「頭の後ろ側がズキズキ痛い」と言うのを、子供だと「頭が痛い」だけでどこがどういう風にというのがないというのと同じように、また年齢が低い子供は自分の痛みや気持ちを上手く表現できません。
そこを「なんで?」、「どうして?」と結論を急がせてしまうと、更に上手く言えなくなってしまうので、その子の学校へ行きたくない原因が何なのかが益々見えなくなってしまいます。だから
「じっくり」がポイント
なのです。ただ、じっくり聞こうとして「テーブルに座って1対1で面と向かって」なんてすると、子供から見れば「怒られるかも」と構えてしまうので
- おやつを食べながら
- 近くに散歩や買い物に行きながら
- お風呂の湯船の中や、布団の中で
という状況ですると、じっくりだけどそう面と向かってという感じはしないので子供は話しやすくなります。
けど、そんな風にしても、お話するのが苦手な子、口で上手く表現できない子はいますから、そんな時は「手紙」にしてもらうという方法があります。手紙だとお話するのが苦手な子でも、自分の気持ちや言いたい事を素直に表せたりします。
この「じっくり話を聞く」は、子供の学校へ行きたくないの原因を知る方法でもありますが、子供にとっては自分の抱えている不安や悩みといった心の負担を吐き出せるので、うつ病でいうところの「気分の落ち込み」を和らげる効果があるといわれています。
だから「学校へ行きたくない。」と子供に言われたら、忙しい・時間がないというのがあるかもしれませんが、
『どうそ、話を聞いてあげてください』
これは元不登校児であり、話を聞いてもらえたなかった子供だった私の願いでもあります。
4.不登校は、実は『子供のうつ病』の症状の一つ
これまで紹介した様々なきっかけで起こる、子供の「学校へ行きたくない」。言葉だけでみるとそのまま
「不登校」
となりますが、これまでにお話したように子供であってもストレスを感じたり、不安感や焦りといった心の負担を抱えます。これらのストレスや心の負担から
- 眠れない
- 食べれない
- 何をしても楽しいと感じない
というのや、中には「分かってもらえない」という苛立ちや不安から
- 死にたい
- リストカット等の自傷行為
- 自殺
という悲しい方向を選んでしまう子供もいます。これ、
『うつ病』
に似ていると思いませんか?というよりも、上の症状だけでみれば
「うつ病や抑うつ症状」
と感じても間違いはないと思います。
少なくとも私が子供だった30数年前に比べると、今の子供の世界は大人と変わりない状況になってきています。という事は、大人がうつ病になるのと同じように子供がうつ病になるのも「えっ?!」と驚くものではないと言えませんか?
5.話を聞く、休ませても効果がない場合は専門医へ
「学校へ行きたくない。」という一言が出て、じっくり話を聞いてみたり、数日学校を休ませて様子を見たりしても、余り効果を感じなかったり、食欲不振や睡眠障害(眠れない、何度も目が覚める)そして危険度としてはレッドカードと言える、自傷行為や自殺未遂といったのをするようになったら、それは
『速やかに専門医を受診』
してください。
特に自傷や自殺未遂は命にかかわりますから、急を要します。
この時受診する専門医については中学生以降であれば、大人と準ずる扱いとなりますので精神科や心療内科を。小学生の場合でしたら、一度小児科を受診して精神科や心療内科を受診した方がいいか判断してもらうという方法があります。
最近の小児科では心療内科的な子供の心ケアを専門としていたり、別にそういった診療科を備えている病院や思春期外来という診療科がある総合病院もありますので、いざという時の為にこうした医療機関と受診の際の予約の有無といったのを知っておくといいかもしれません。
まとめ
子供が
「学校へ行きたくない。」
と言った時、驚きと同時に
「不登校から何とか脱しないと!」
とアレコレ試したりしますが、その後ろに密かに存在しているうつ病や抑うつ症状といったに気づくというのは少ないでしょうし、そこに気づいた時には不登校の状態だけでなく、うつ病状態も悪化しているでしょう。
「学校へ行かない」というのがタダのサボリであれば悪いといえますが、そうでなくここに書いたようなきっかけが原因がある場合、それはサボりではなく
『助けて!私、うつ病になっているかも!』
という子供からのSOSなのかもしれません。そんなSOSを見逃さない、聞き逃さない為に
- 子供がうつ病になりそうなきっかけを知っておく
- 子供の様子がいつもと違うのを直ぐに気づける目を持つ
- 家で子供が何でも話せる環境を作る
事が、子供が勉強が出来る・運動が出来るといった人より秀でているというよりも、もっと重要ではないかと思います。
これは決して人より秀でているのが悪いというのではありません。人より秀でているものがあれば、それはその子の個性や特性だからそれを伸ばしていくのも親の務めです。
しかし、もしもその務めが子供の負担となり重くのしかかっているのに、それを言い出せないとしたらその務めは正しいとは言えませんし、子供のうつ病のきっかけとなったのは親である貴方自身となってしまいます。
親として子供を苦しめる存在になっているのって、どう思いますか?
そうならない為に、先程の子供のうつ病を知る・気づく・ならないようにする環境を作るというのは、かなり大切な事なんじゃないかと、元不登校であり子供のうつ病を患っていた私は感じています。