YSこころのクリニックスタッフブログ

現代のうつ病事情を読み解く!東京都江東区門前中町の心療内科・精神科「YSこころのクリニック」がうつ病に関する様々な情報をお届けします。

家族がうつ病になった時、どう接したらいいの?

f:id:yskokoro:20150827130840p:plain 今、医療機関で治療を行っているうつ病患者の数は約200万人程といわれています。これに「うつ病予備軍」と呼ばれる人や、「うつ病や抑うつ症状が出ているけど気づいていない(気づかないフリをしている」という人の数を加えると、果たしてどのくらいいるだろうか?という数になってきます。

うつ病になる原因は人それぞれですから、「こんな人がなりやすい」というタイプがあっても、老若男女を問わず『誰もがなりうる』病です。

ですから、もしかしたら貴方のご家族がうつ病になってしまう事もあるかもしれないでしょう。そしてそうなった時に、一番困ってしまうまたは悩んでしまうのが

『うつ病になった家族へ、どう接したらいいのか?』

ではないでしょうか?

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目次

  1. こんな時は、「うつ病」を疑って。
  2. うつ病発症したばかりの時は無理をさせずに見守る。
  3. 薬をきちんと服用しない、「死にたい。」と言うようになったら。。。
  4. 少し症状が良くなった時の接し方のポイント
  5. 時には自分の気晴らしも。。。

1.こんな時は、「うつ病」を疑って。

まず最初に、「どんな時に、うつ病を疑ったらいいか?」というのから始めていきましょう。

というのも「こんな時」というのが分からないと、うつ病に気づけないので症状の悪化を招いてしまい、改善や完治がしづらくなるからです。うつ病の代表的な症状としては

  • 気分が落ち込む
  • 何をしても楽しくない
  • 食欲低下や不眠

といったのがあります。ただこれは「大人のうつ病患者」の代表的な症状といえるので、もしも子供がうつ病になっている、または抑うつ症状があるケースだと上の症状とは違って

  • 前よりもイライラしている事が多い
  • 暴力的になる
  • 急に泣き出す
  • 自分で髪の毛を抜くようになる(抜毛症)
  • 壁に頭や体をぶつけたりする

という形で表れたりします。

そして学校に行っているお子さんだと

『不登校』

という形で抑うつ症状が出る場合もあります。

不登校は学校に行けないというのなので「いじめ」等の原因が考えられますが、学校以外での家族や友達関係といったのから心にストレスを抱えても不登校になるケースもあります。

だから子供が「学校へ行きたくない」と言った場合は学校だけでなく、広い範囲で何が原因なのか?を探す必要があります。

次にお爺ちゃん・お婆ちゃんといった高齢者の場合だと

『一見、認知症を思えるような症状』

で、うつ病が表れる事があります。

実は認知症と症状が似通っている「高齢者のうつ病」は、家族としてもうつ病ではなく先に認知症の方を疑ってしまうので、なかなか「うつ病だった」となるのに時間がかかり、その間に症状が更に進行してしまうという事もあります。

ここで紹介したのはほんの一例ですが、もしもご家族にこうした症状や、「いつもと違うな」と感じる場合は、抑うつ症状やうつ病になっている可能性があるので注意した方がいいでしょう。

2.うつ病を発症したばかりの時は無理をさせずに見守る。

家族がうつ病を発症したばかりや、「うつ病になった。」といわれた時、誰もが驚くでしょうし「何で」となるでしょう。そういう意味ではご家族も辛いと思います。

うつ病を発症したばかりというのは、やっと自分が心に負担を抱えている。そしてそれが原因でうつ病になったというのが分かったという段階です。だから治療はこれからなので、回復具合としては「まだ何も治ってない」といえます。

ですから、

  • うつ病になった原因を問い詰める
  • 早く職場や学校へ行くようプレッシャーをかける

そして

「家にいるんだから、家事くらい手伝ってよ!。」
「お天気良いから、どこかに散歩に行ったらいいのに。」

というような

『問い詰めたり、無理強いするような事はしないでください』

うつ病になってやっと治療が始まった状態の時は、治療薬の副作用で急激に眠い場合もありますし、症状がまだ改善されていませんからベッドから起き上がれない、何もする気になれないという方が殆どです。

その状態でプレッシャーや無理強いをされたら、本人の「うつ病を治そう!」という気持ちは薄れていってしまい、

『家族に迷惑をかけている』
『会社(学校)に早く行けるようにならないと』

新たな心の負担が増えてしまい、治るはずのうつ病が治らなくなってしまいます。

突然のうつ病は患者本人も、家族も戸惑いを隠せないでしょうし、「これからどうなっていくんだろう?」という不安もあるのは当然だと思います。

しかし、今までは症状があるけど「それが何なのか?」というのが分からなかったけど、「うつ病」という病というのが分かったと、少し見方を変えると

「自分の不調の原因は、うつ病だった」

としたらきちんと病気だと分かったわけですから、

「病気なら治していけばいいんだ」

と思えるかもしれません。

うつ病発症したばかりの頃は

「なってしまった」

という思いが強いので、こういう風に思えるのはかなり先になるかもしれませんが、

『治していく為の無理しない期間』

と思って、焦らず騒がず無理させないで様子を見守ってあげてください。

3.薬をきちんと服用しない、「死にたい。」と言うようになったら。。。

うつ病の治療中に薬の効果で、一時的に調子が良い時があったりします。そんな時、

「今日は調子が良いから」

と治療薬を飲まなかったり、逆に「眠れないから」、「症状を抑えたいから」と薬を倍飲んでしまうというケースがあります。

薬をきちんと服用しないのが、もしも「調子が良いから」というのであれば

「その調子が続くように、飲んだ方が良いと思うんだけど。」

と声をかけて、服用を促してみましょう。

そしてもし薬を倍飲んでしまうといった時は、

「もし具合が悪くなって倒れたりしたら不安だから、私の目の前で薬を飲んでくれないかな?。」

と一人で服用させないようにしてみるという方法があります。

もし、こうした方法でも薬をきちんと服用しない場合は、主治医に相談してアドバイスをもらっておきましょう。

それから、うつ病を患っている多くの人が「死にたい。」と口にしたり、実際に自殺未遂や亡くなってしまうケースは、とても多いです。この「死にたい」というのは発作的な場合もあり、そんな場合は

「どうしたの?」

と、ゆっくり話を聞いてあげてください。そして

「辛かったんだね。」
「貴方が死んでしまったら、私はとても悲しい。」

というように

  • 相手の気持ちに寄り添う
  • 死ぬと悲しいと思ってくれる人がいる

というのを伝えると、発作的な場合であれば死にたいと思っていた気持ちに整理がついて、落ち着けるようになります。

しかし発作的ではない時や自殺の危険性がかなり高い場合は、まず

『1人にしない』

ようにしてください。この時、もしも一人暮らしをしているご家族だったら、実家で一緒に生活するのも考えた方がいいでしょう。

そして、こちらの場合も迷わずに直ぐに主治医に相談してください。

また、ご自宅の近くに交番がある場合は万が一の為に相談しておくのも方法としては間違っていないと思います。

「うつ病で?。」

と感じるかもしれませんが、うつ病による自殺者というのは年々増えてきていますし、本人も家族も最悪な状態とならない為には、このくらい予防策をしておいた方がいいといえます。

4.少し症状が良くなった時の接し方のポイント

うつ病の治療をきちんと行って、

  • 毎朝起きられるようになる
  • 近所に散歩に行けるようになる

というように、少し症状が良くなってきたら

「今日ちょっと公園へ行くんだけど、一緒に行かない?。」

と声をかけてみてください。

そこで本人が

「行く。」

と言えば一緒に行ってみましょう。

逆にもしも

「行かない。」

と言ったり、乗り気じゃなさそうなら「せっかく誘ったのに!」と思わずに

「あ、今日はそんな気分じゃないんだな」

と言い方は悪いかもしれませんが明らめてください。

うつ病の原因が様々なのと同じように、患者の症状というのは一進一退なので、

『昨日は調子が良くても、今日は調子が悪い』

のが常といえます。だからそこで「せっかく誘ったのに!」と衝突してしまうと、うつ病を悪化させてしまいます。

それから調子が良くなると、人によっては家事を手伝ったり、買い物に一緒に行って荷物を持ってくれるという時も出てきます。そんな時は

「ありがとう。」
「助かったよ。」

と声をかけてあげてください。

この「ありがとう」や「助かったよ」と言う言葉で、うつ病患者本人は

『家族の役に立てた』
『自分に出来た』

というのに気づけます。そしてそれが手応えとなって、うつ病の改善や完治に繋がる効果があります。

5.時には自分の気晴らしも。。。

家族がうつ病になると、どうしても

「私がしっかりしないと」
「早く前の生活に戻れるようにしないと」

という思いが強くなって

『頑張り過ぎてしまう』

のはよくあるケースで、この頑張り過ぎから「自分」がうつ病になってしまうという事があります。

この頑張り過ぎを防ぐには、

『自分の気晴らし』

をする事が一番です。自分の気晴らしですから、好きな本を読んでみたり、近くのカフェに好きなスイーツを食べに行ったり、お友達に会ってお喋りしたりと何でも良いです。こうすると抱えてしまっていたストレスを発散出来るので、自分がうつ病になるのを防げます。

また、うつ病患者の家族の互助グループみたいなのに参加してみるのも良いでしょう。互助グループに参加しているのは

『うつ病患者の家族』

という同じ立場の人達なので、なかなか人に言えない話や「こんな事で困っている」という相談もしやすいです。そうした話を通じて、アドバイスをもらったり意見交換をすると

「一人じゃないんだ」

と思えるので、これも長くなりがちなうつ病治療をしている家族を支えるには必要だと考えられています。

まとめ

うつ病の基本的な情報や治療法といった情報を見聞きする機会は何気なくを含めても、とても多いと思います。けど

「うつ病患者に家族はどう接したらいいか?」

というのについては、うつ病という大きなくくりの中ではまだ少ないのではないかと思います。

実際、私も家族がうつ病になった時は、それ以上悪化させたくない思いと「どう接したらいいんだろう?」という思いがあって、毎日悩んでいましたし時には衝突して、お互い傷ついた事もありました。

そんな経験があったので、

「うつ病患者のご家族に少しでも情報を提供できたら」

と思い、今回は患者さん本人ではなく、ご家族にスポットをあてた内容にしてみました。

うつ病治療は、もしかしたら

「ゴールはあるけど見えないように感じる」

ものではなないかと思います。そんな見えないように感じるゴールが少しでも見えるようになって、患者さんやご家族の方が思い悩みながら過ごし日々が減る事を願っています。

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