YSこころのクリニックスタッフブログ

現代のうつ病事情を読み解く!東京都江東区門前中町の心療内科・精神科「YSこころのクリニック」がうつ病に関する様々な情報をお届けします。

うつ病になった時の医師・病院選び 付き添い等についての話

f:id:yskokoro:20151208164138j:plain 日本のうつ病患者の数というのは現在分かっている範囲で、約400万人前後といわれています。しかしこれはきちんと専門の医療機関で治療を受けている人の数なので、

「プチうつ」
「うつ病なのに医療機関等で治療を受けていない人」
「うつ病に気づいていなくて、治療を行っていない人」

となっている人については未知数です。

『うつ病は心の風邪』

という例えがあるように、うつ病は老若男女問わず誰もがかかる可能性がある病です。また最近では「不登校」も抑うつ症状の一つと考えられているので、これをふまえると

「子供でも、うつ病になる」

といえます。

もしも自分がうつ病や抑うつ症状を抱え、精神科や心療内科等の専門医療機関の受診を考えた時、当然ですが

  • 初診の時って、何を聞かれるの?
  • 前もって準備しておいた方がいい事は?
  • 家族は付き添った方がいいのか?
  • 病院や医師を選ぶポイントは?

というのが気になるでしょう。

私達にとっては行き慣れているといえる内科や外科に比べて、精神科や心療内科についてはまだそう知られていませんし、病院選びにしても身近な人に

「どこの精神科がいい?。」
「あそこの心療内科って、どうなのかな?。」

とは、なかなか聞きづらいものです。そこで、今日はこの辺りを取り上げていきたいと思います。

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1.心療内科、精神科、どっちに行ったらいいの?

うつ病や抑うつ症状がある時に受診するのは

『心療内科』または『精神科』

です。どちらも心や精神的に問題を抱えているのを治療する所ですが、最初の疑問となるのは

「どっちへ行ったらいいのだろう?」

ではないでしょうか。

この疑問について調べてみると、実はこの2つの科については明確に分けられてはいません。しかし、

心療内科

内科に属していてストレスや他の精神的な問題が原因による身体的症状を治療

精神科

抑うつ、不安、イライラといった強い心の病や感情・思考・行動の異常などを伴う精神疾患を治療

となっていう風な区分けがあるようです。

この区分けだけを見ると「うつ病の専門は精神科」といえますが、軽度のうつ病や不安障害、パニック障害といった「うつ病のせいで起こる気分障害」については、心療内科でも治療してもらえます。

また「精神科」という科は、どうしてもその名前から『行きづらい』と感じやすいので、そんな時はまず心療内科に行ってみるというのも一つの方法です。

「どちらの科にしたら。。。」というはあると思いますが、うつ病を改善・完治させるには

『早期治療』

が大きなポイントとなるので、自覚症状を感じたら何はともあれ心療内科もしくは精神科を早めに受診してください。

2.専門医療機関を受診する前に準備しておくと役立つもの

皆さんの中に

「看護婦さんやお医者さんを見ると、いつもよりドキドキしたり、血圧が上がったりする」

という方いませんか?

これは白衣やそれに似た服を着ている人を見て緊張する事で起こる「白衣高血圧」というものなのですが、精神科や心療内科では診察時に色々と質問されます。これは「患者さんのうつ病の症状をよく知って治療に役立てる」のが目的ですが、この時、白衣高血圧と同じような状況になる場合があります。

それは医師からの質問に緊張してしまったり、答えがまとまらずにどう話していいか分からないという心境があるからです。また、うつ病の患者さんの多くは

「人と話したくない」

という症状があるので、

『症状や原因を話したいけど、上手く言えない』

のはよくあるケースです。そこで、うつ病治療で医療機関を受診する時にあらかじめ準備しておくと役立つのが

「私の症状メモ」

です。

これがあると自分がうつ病や抑うつ症状について見ながら話せるので、上手く言えない時でもなんとか自分の言葉で説明する事が出来ます。あるいはこのメモを医師に見せれば、医師がそれを見ながら貴方のうつ病や症状を改善、完治させる為の治療法を見つける質問を適切に出来ます。

私の症状メモに書く内容としては

  • いつから症状が出始めたか?
  • 症状が出る原因になった出来事
  • どんな症状が一番辛いか?
  • 毎日の睡眠や食事(飲酒については忘れずに!)について
  • 現在服用している薬や既往症について

等です。

これはあくまでもメモですから、丁寧に細かく書く必要はありません。自分で説明出来たり、医師が見て確認出来るのであれば、大まかに書いたり、箇条書きにしても大丈夫です。

それから最後の服用している薬については、持っていれば「お薬手帳」を持参しましょう。

これがあると医師は一目で貴方がどの薬をどのように服用しているのかが分かるので、飲み合わせ等をチェックしやすくなります。もしお薬手帳がない場合は薬が入っている袋や薬の現物を持参してください。

3.うつ病の初診って、何を聞かれるの?

「うつ病かな」と思った時、病院選びに迷うのと同時に「初診の時って、何を聞かれるのだろう?」という疑問が頭に浮かぶと思います。

この疑問が浮かぶのは私達が普段の生活で例えば風邪をひいた時なら、初めての病院でも

  • 熱の有無
  • 痛む部分や痛み方
  • 症状が出てからどのくらい経っているか。

と聞かれる事が予想できますが、うつ病で精神科や心療内科にかかる時というのがこの辺りが予想出来ません。

しかし、うつ病の診察も他の科と同じように基本は『問診』です。

最近はどこの病院でも問診票をおいている所が殆どなので、心療内科や精神科でも問診票をまず記入する事になるでしょう。

そして問診票を見ながら医師が患者さんから話を聞いたり、患者さんからの訴え聞いたりするのですが、医師はこの時の患者さんの表情やしぐさを注意深く見る「視診」を同時に行います。

患者さんの今の状態を色々聞かれる分、時には

「どうしてこんな事を聞くのだろう?」
「こんな事を聞いたら、医師に怒られないだろうか?」

と思う事があります。もしそう思ったら、

『遠慮なく、尋ねてください』

どの病気でも「患者さんが不安を抱えてままでいる」というのは、治療と回復の妨げとなります。特にうつ病の場合は「心」に何らかの原因があって患ってしまったのですから、不安を残したままというのは治療の効果が半減してしまう可能性が大きくなってしまいます。

また中には質問をされて「自分の中で答えがまとまらならい」といった事もあります。そんな時は無理やり答えようとするのではなく、

「分かりません。」

と答えて大丈夫です。

この時に「答えなきゃ!」と無理やり答えてしまうと、治療や処方する薬に影響が出てくるので、これも貴方のうつ病治療の妨げとなるでしょう。

初めてのうつ病そして初めての心療内科や精神科という状況だと、「緊張しないで」という方が無理と言えるかもしれませんが、どうぞ焦ったりせずに分からない時は分からないで構いませんので、自分の症状をありのままに伝えましょう。

ここで参考までにですが『うつ病治療時によく聞かれる質問』を10個ご紹介します。

うつ病診察でよく聞かれる10の質問

① 今の体調や気分について。
② 症状が出始めたのはいつからか。
③ ②の症状が出た事で困っている事はないか。
④ 自分で考えられる原因があるか。
⑤ 家族や親せき等で、うつ病を患った人がいるか。
⑥ 家族構成
⑦ 飲酒や喫煙について。
⑧ 既往症や服用中の薬について。
⑨ 自分の性格について。
⑩ 現在、働いているか。働いていない場合、経済的な不安があるか。

これらを基に「私の症状メモ」を作ってみたり、ご自分の考えを出来る範囲でまとめてみると受診した時に必要以上に緊張する事が減ると思います。

4.家族は付き添った方がいい?

うつ病で精神科や心療内科に通う時、

「家族の付き添いは合った方がいいのでしょうか?」

これについては、もしも自分できちんと症状を説明できるのであれば、付き添いは必要ないでしょう。しかしこれとは逆に、自分できちんと説明出来ない、または

  • 交通機関を使って通う場合にパニックになる等の不安要素がある
  • 処方された薬をきちんと飲んでいない(疑わしい場合も含む)
  • 自殺願望が強い

という時は家族が付き添った方がいいでしょう。

特に最後の自殺願望が強い時は、「治療に行くだけだから」と目を離してしまうと、その隙をついて。。。というケースがないとは言い切れません。

但し、うつ病治療の付き添いでは

  • 症状は出来るだけ患者本人に話させる
  • 付き添いが患者について話す時は、自分の感情で話すのではなくあくまでも「第3者として」 (「本人はこう言ってますが、私はこうだと思います。」というような否定的な言い方をしない)
  • 患者の症状について話す時は、ポイントを絞って簡潔に

といったのを注意してください。また中には

「付き添いたいけど、家族が一緒に行っていいんだろうか?」

と思う方がいらっしゃるかもしれません。家族が付き添いで行くと

  • 患者の緊張や不安が和らぐ
  • 患者さんの症状を客観的な方向から聞く事が出来るので、『より患者に合った』診断・治療が出来る
  • 付き添っている家族も患者について、治療の効果や気をつけた方がいい事等を知る事が出来る

というメリットがあるので、可能であれば家族が付き添った方がうつ病からの早期回復が期待出来るでしょう。

5.うつ病治療の為の病院や医師を選ぶ時のポイントについて

最後に

『うつ病治療の為の病院や医師を選ぶ時のポイント』

について、お話していきます。

まず、病院についてですがこの時に1つだけ忘れてはいけないポイントが

『症状が悪くなっても通える』

です。

うつ病は人それぞれ症状が様々なのと同じように、

「昨日は調子が良かったけど、今日は調子が悪くて起き上がれない」

という事が多いので、調子が悪い時に通える場所にないとうつ病治療がそこでストップしてしまいます。そうなると、うつ病からの回復・完治は遠のいてしまいますし、困難となってきます。

だから、この『症状が悪くなっても通える』というのは忘れてはいけないポイントとなるのです。

次に総合病院内にある精神科や心療内科と個人病院の精神科や心療内科のどちらを選ぶかとなった時に、何となく

「大きい総合病院の方が。。。」

と感じるかもしれませんが、病院と大きい・小さいはそう気にする必要はありません。

この時の選ぶポイントとしては、もし何かうつ病以外に持病があって既に総合病院に係りつけていて、そこに精神科や心療内科があるといった場合なら、持病と一緒に治療出来ますし、アチコチ通う必要がないので、総合病院での受診がいいと思います。

対して個人病院なら、大きな病院にありがちな「待ち時間の長さ」といったのが余りありません。また個人ですから「途中で治療を担当する医師が変わる」といった事がありません。これらのポイントを考えると、総合病院・個人病院どちらも

『それぞれの良さがある』

といえるでしょう。

次にうつ病治療において患者が第一の主役なら、第二の主役となるのが「医師」です。

もしうつ病を治療を行う医師が

  • 患者の話を余り聞かない、尋ねない
  • 薬をどんどん増やしてくる
  • 患者の質問に嫌そうな態度を取ったり、機嫌が悪くなる

というタイプなら、治療を続けても処方薬だけが増えていき、結果として「副作用に苦しむ」確率だけが高くなってしまいます。こういった医師とは逆に

  • 患者の話や訴えをきちんと聞いてくれる
  • 治療法や処方する薬について、明確に説明してくれる
  • 自宅で生活する時の注意点や改善、回復に役立つ方法をアドバイスしてくれる

という医師なら、長い道のりとなりやすいうつ病の治療をしっかり続けていけるので、

「うつ病からの回復、完治」

というゴールへ辿り着きやすくなります。

ただ医師選びというのは、「実際に通ってみないと分からない」というのがありますし、中には「この先生とはちょっと合わないかも。。。」と思う事もあるかもしれません。そんな時に無理に治療に通っていれば心のストレスを増やすだけなので、

「うつ病治療に通っているのに、うつ病がひどくなった」

という状況になってしまいます。

だから「合わないな。。。」と感じた時に『転院』を考えるのは間違っていませんし、もし転院を決めたら必ず「紹介状」をもらって新しい病院を受診してください。

「もうその病院に行かないのだから、紹介状は要らないんじゃないの?」

と思うかもしれませんが、紹介状には今までの治療についてが詳しく記載してあるので、転院した病院の新し新名の主治医が、それを基に

『貴方に効果がある治療法がどれか?』

というの探っていきやすくなるので、うつ病治療をより効果的に行えます。ですから、転院をする場合は紹介状をもらうようにしてください。

ただ医師に面と向かって「転院します。」と言うのは、言いづらさを感じるかもしれません。そんな時は

「交通機関を使っての通院するのが難しくなったので」 「復職の為のリワークプログラムを受けるので、それを行っている場所の近くで出来れば治療を受けたい」

という理由を考えてみては如何でしょうか。こうした理由であれば、転院を申し出ても問題なく紹介状をもらえると思います。

うつ病治療は「長い治療」となるのが常とされていますが、

『治らないわけではありません』

きちんとした治療を行えば、長い治療となったとしても治る方向へ向かっています。

だから「もしかしたら、うつ病かも。。。」と感じたら、迷わずに精神科や心療内科を受診してください。何も行動をせずに、ただ「うつ病かも」と思っているだけでは治るものも治らなくなってしまいます。

そして、うつ病治療を決めた時にここでのポイントが少しでも貴方の病院・医師選び等の参考になってくれたら幸いです。

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