YSこころのクリニックスタッフブログ

現代のうつ病事情を読み解く!東京都江東区門前中町の心療内科・精神科「YSこころのクリニック」がうつ病に関する様々な情報をお届けします。

『セロトニン』アップで、うつ病予防してみよう。

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うつ病の原因として考えられるのは、

  • 仕事や人間関係などでのストレス
  • 家族や親しい人の死
  • その人の物事の考え方やストレスの捉え方

といったのがありますが、これにもう一つ原因を挙げるとしたら

『セロトニンの不足』

があります。

セロトニンは「神経伝達物質」といわれるもので私達の脳内で幸福感を司っていて、減少するとうつ病になる一因となってしまいますが、実は

『うつ病を防ぐ効果がある』

とも考えられています。また、このセロトニンは

「普段の生活で補う事が可能」

です。

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そんなセロトニンの基礎知識から、皆さんがトライしやすい「セロトニンアップ術」を2つ、これから紹介していきます。

目次

  1. セロトニンって、何だろう?
  2. セロトニン神経を鍛えて、ストレスに強くなる=うつ病予防にもなる
  3. セロトニンアップ術その1:日光を浴びる
  4. セロトニンアップ術その2:歩く

1.セロトニンって、何だろう?

まず最初にセロトニンについての基礎知識から、お話していきます。

私達の脳内には「神経伝達物質」というのがあって、正常に作用している時は脳や体の機能のバランスを保っています。これらの神経伝達物質の中で

  • セロトニン
  • ドーパミン
  • ノルアドレナリン

の3つは、上から順に幸福感・やる気・気分を高揚させるといったのに作用しています。これらの中でドーパミンやノルアドレナリンの働きが過剰になると、興奮し過ぎるといういわば暴走にも似た状況になってしまいます。

セロトニンはこうした過剰に反応し過ぎたドーパミンやノルアドレナリンをコントロールして

『心のバランスを取る』

役割を担っています。

もし、セロトニンが不足してしまうと暴走しているドーパミンやノルアドレナリンを制御できなくなります。また、

  • 心のバランスが取れなくなる
  • ストレスや不安を感じやすくなる

ので、プチうつやうつ病を発症しやすくなります。だから、

『セロトニンが不足すると、うつ病になりやすい』

となってくるようです。

2.セロトニン神経を鍛えて、ストレスに強くなる=うつ病予防にもなる

肉体的なストレスというのは病気による痛みだったり、ハードなスポーツや肉体労働といったものが一般的ですが、

「精神的なストレスの場合は、どうなのでしょうか?」

精神的または心理的なストレスの原因で、一般的といえるのが悲しみや辛さを感じる出来事やプレッシャーや人間関係でのいざこざ等だと思います。

こうした状況になると、脳内で「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されるようになります。コルチゾールが分泌された時に、セロトニン神経が十分な量のセロトニンを分泌できればストレスの緩和が出来るのですが、コルチゾールの分泌が多過ぎてセロトニン神経が弱り分泌量が減ってしまうと

「プチうつ」

の症状があらわれるようになります。そして、これを放っておくと、やがて

『うつ病』

へとなっていきます。

セロトニンは、例えば転んでケガをした時にかさぶたが出来て自然と治るというように

「減れば自然と増える」

というものではありません。

そして何の問題もなく働いているセロトニン神経でも、過度なストレスがかかったり、ストレスを感じている状態が長くなれば、「ストレスに勝てる!」というものではなくなってきます。

だから、セロトニン神経は鍛える必要があります。そして鍛えられたセロトニン神経はより

『ストレスに強くなる=うつ病予防にもなる』

という効果を期待できます。

ストレスの大きい・小さい、軽い・ひどいという感じ方は人それぞれですが、セロトニン神経を鍛えるのを少し意識したら、「不意の大きなストレス」を受けた時にうつ病を患うほど、ひどくさせないで上手に受け流せるようになるかもしれませんね。

セロトニンは神経は『いくつになっても自分で』鍛えられる

ここで一つの豆知識的なお話をさせてもらいます。それは

『セロトニン神経は、いくつになっても自分で鍛えられる』

というのについてです。

体を鍛えたりする場合、どうしても中年以降の年代になると

「歳だから。。。」

という言葉が口から出てしまいますが、セロトニンの分泌が正常・豊富・不足といったのは

  • 加齢
  • 遺伝
  • 体質

といったのは関係ありません。

むしろ普段の生活習慣をちょっと見直して改善していけば、

『自分でセロトニン神経を鍛えられます』

心の風邪という別名があるうつ病は、老若男女を問いません。 うつ病と聞くと中には「働き盛りの人や、妊娠・出産、介護なんかをしている人がなりやすい」というイメージを持っている方がいらっしゃるかもしれませんが、

「高齢者うつ病」

というのがあるのをご存知でしょうか?高齢者うつ病は認知症と症状がかなり似通っている為、

「医師でも判断が極めて難しい」

とされています。

だから「歳だから」と考えずに

『いくつになっても、うつ病にならないようにしよう』

と考えて、備えていった方が良いと言えませんか?

3.セロトニンアップ術その1:日光を浴びる

では、ここからは実際のセロトニンアップ術を2つ、ご紹介します。最初は一番手間がかからずに、誰もがトライしやすい

『日光を浴びる』

です。

「え?そんなので、うつ病予防になるの?」

と思うかもしれませんが、はい。これだけでもうつ病予防に効果があります。

朝起きてカーテンをサッと開けて、日光を浴びるとその刺激は目の網膜を通じて脳そしてセロトニン神経に伝わっていき、セロトニンの分泌が始まります。だから、朝起きたらカーテンを開け日光を浴びて、その日のうつ病予防をスタートさせましょう。

ところで「日光でセロトニンを増やして、うつ病予防」にという話をすると

「じゃあ、それって晴れてる日じゃないと出来ないんじゃないの?」

と思ってしまうかもしれませんね。

日光を浴びてセロトニンを増やす場合、ポイントになるのは『明るさ』です。参考までに私達の身近な明るさとして

  • 一般的な明るめのオフィス 400ルクス
  • 少し暗めで落ち着いた雰囲気のリビング 300ルクス
  • 私達が「とても明るい」と感じる明るさ 700ルクス

といったのがあります。これに対して太陽の光というのは

『夏なら10万ルクス以上、冬の曇り空でも1~2万ルクス』

あるそうです。

また雨や曇りの日の室内でも太陽の光は2,000ルクス以上はあり、これはセロトニン神経を活発化させ、セロトニンを分泌させるのに十分な明るさなので、

『雨でも、曇りでも、室内の日光でも大丈夫』

なのです。

4.セロトニンアップ術その2:歩く

毎朝日光を浴びて、セロトニンアップの準備が出来るようになったら次のステップは

『歩く』

です。

この歩くは、うつ病の症状が少し良くなって「復職」や「うつ病になる前の生活」に戻る為の体力回復にも効果があって、手軽に出来る方法なのですが、セロトニンアップを目的とした場合の歩くのポイントは

① 出来れば、朝行う
② 何も考えずに、歩く事に集中する
③ 腹式呼吸を意識して歩く
④ クタクタに疲れるまで歩かない

です。

番号順に解説を加えますと、最初の①は目次3でお話した「セロトニン神経を活発化させ、セロトニンを分泌しやすくする為」というのもありますが、私達の体内時計というのは朝日を浴びると一度リセットされるので、

「その日1日をセロトニンを増やして、元気に過ごす」

という目的もあります。だから出来れば、朝歩くのが好ましいとなってきます。

次の②についてですが、皆さんの中で体育系の部活に入っていて一生懸命走ったり、体を動かした時に「頭が真っ白になる」という経験した事ありませんか?

何も考えずに集中して動作をしている時は、セロトニンがいつもよりも多く分泌されています。運動の得意な方であれば、ジョギングやスイミングといったのもおススメですが運動が苦手な人だとこれはおススメできません。

何も考えずに、集中できて誰もが出来る事。それがセロトニンアップに繋がるウォーキングとなるのです。だから、歩きながら「今日の予定は。。。」なんて考えたりしないでくださいね。

そして、③の呼吸は「腹式呼吸を意識する」という事です。

私達が普通に息をしている時は「スー、ハー」というものですが、お腹に力を入れて『ハッ、ハッ、ハッ、スー』と呼吸をした方がセロトニンを多く分泌させるには、より効果的です。

やり始めたばかりや呼吸が浅い人だと、このハッ、ハッ、ハッ、スーはしづらいかもしれませんので、その時は『ハッ、ハッ、スー、スー』という呼吸の仕方でも構いませんので

『お臍の辺りに力を入れて、腹式呼吸をする』

というのを意識して、ウォーキングするようにしてください。

最後の④はウォーキングでも、やはり

『無理は禁物』

です。

ウォーキングをし過ぎて「動けないほど、きつい」という状況になってしまうと、セロトニンの分泌は弱まってしまいますし、肉体的なストレスでストレスホルモンが増えてしまうので、うつ病予防からは遠くなってしまいます。

セロトニンアップさせるウォーキングの場合、どんなに頑張って歩いても

「30分を越えないように」

してください。

これはストレスホルモンの増加を防ぐのと同時に、セロトニンアップが期待できる「心地よい疲れ」で終わりやすいからです。「30分を越えない」というのを守れれば、例え歩く時間が5分でも問題ありません。

だから、まずは

  • 出来るだけ、朝に
  • 何も考えずに
  • 腹式呼吸を意識しながら
  • 5分間

歩いてみましょう。

まとめ

うつ病の原因が「ストレス」というのは、皆さんよくご存じだと思います。けど、このストレスの中で『精神的なストレス』というのは、

  • 何かショックを受けるような出来事
  • 周りからの抑圧やプレッシャー
  • その人の考え方やストレスの受け止め方

といったのだけでなく、

『セロトニンの不足』

も関係しているというのは、現在うつ病を治療中だったり、うつ病に詳しい人であれば知っているかもしれませんが、そうではない人達にとっては「へ~、そうなんだ」となると思います。

実際、私もそんな一人だったのですが、

「セロトニンは自分で鍛えられる」

というのを知ってから、毎朝、子供達を見送った後に近所を10分ほど何も考えずに歩くようにしたら、心なしか前よりもイライラしたり、落ち込んだりする事が減った気がします。(「心なしか」というのは、まだ始めて1ヶ月足らずなので。。。)

それに10分の徒歩でも体を動かしているのには変わりないので、寝つきが良くなったし、歩く時間確保の為に早起きするようになったので、それまでの不規則がちな生活も改善されました。

今回は『うつ病予防』を目的としたセロトニンアップについてでしたが、セロトニンが多いと

  • やる気や集中力がアップする
  • お肌の状態が良くなる

という効果もあるそうなので、うつ病予防プラスαにもなるんじゃないかなと思うので、

「何か健康の為に始めたい」

と考えているなら、心も体も健康になれて、うつ病予防も期待できる『セロトニンアップ』をしてみませんか?

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