TV番組やドラマそして新聞の連載特集やマンガといったのでうつ病やうつ病からの職場復帰をテーマにしたのを目にしたり、耳にしたりする事が最近多くなっています。うつ病は別名「心の風邪」といわれるものですから、誰もがなりえる病です。
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だからもしかしたらある日、貴方がうつ病になるかもしれないし、昨日まで同じ部署で働いていた仲間がうつ病を患っていたという事があるかもしれません。こういった事情からの休職そして職場復帰をする時、必要な支援策にはどんなのがあるのでしょうか?そういった事についてまとめてみました。
目次
1.うつ病に必要なリハビリテーション
心身そして精神的なバランスを崩してしまった事でおきるうつ病の場合、それ以外の理由での休職からの復帰に比べると、直ぐに
「以前のように働ける」
とは限りませんし、その可能性としては0に近いです。というのも、うつ病になると
- 昼夜逆転などによる生活リズムの乱れ
- 集中力の低下
- 作業能力の低下(例:今まで問題なく出来ていたことができない)
といった症状がでてくるからです。そして
周りの人とのコミュニケーションの取り方
といったのも恐らく職場復帰するにあたって、本人も会社側も一番気になってくる心配事といえます。こういった点から、うつ病の人が職場復帰するにはリハビリテーションが必要となってきます。ここで、うつ病に必要なリハビリテーションとして挙げられるのが大きく分けて
- 自分のうつ病の状態を客観的にみられるようにする
- 人とのコミュニケーションの取り方
- 集中力や作業能力アップ
- 職場復帰後にストレスを感じた時の対処法
といったのがあるので、これを1つずつこれからみていってみましょう。
1-1.自分のうつ病の状態を客観的にみられるようにする
うつ病を患うと他人とのコミュニケーションが取れなくなるといったのに目がいきがちですが、それ以外に実は『自分について分からなくなる』または客観的に自分を見れなくなるという状態に陥ります。そこで自分の症状や治療を知っていくというリハビリテーションが必要になります。
自分のうつ病の現状、職場復帰までの治療、投薬管理の仕方といったのが分かるようになってきます。そうすると少しずつでも客観的に自分を捉えられるようになってきます。このリハビリテーションについてはセルフコントロール的な役割も担っています。
1-2.人とのコミュニケーションの取り方
次に人とのコミュニケーションの取り方についてですが、うつ病に必要なリハビリテーションの中では最も重要といえるべきものです。ここのリハビリテーションをきちんと受けていないと、職場復帰した後に再発や悪化してしまう可能性があります。
ただこれについては1人で行えるものではありませんので、リワークプログラムのようなので数人のグループを作って行っていく方法がとられています。リワークプログラムでのグループレッスンだとリハビリもですが、「同じ病の人同士だから、自分だけじゃない」と思えるメリットがあります。
1-3.集中力や作業能力アップ
うつ病の症状に集中力や作業能力の低下というのがあります。職場復帰ですから、仕事ができないというのは会社側としては困りますが、本人としては
「なんで俺はこんな事が出来ないんだそう?」というストレスを感じてしまい、そこから劣等感に悩むようになり、うつ病を再発してしまう事もありえる話です。
そうならない為にも、
- パソコンでの文字入力
- 読書
- 陶芸や園芸
といったリハビリテーションでで、集中力や作業能力をアップさせていきます。
1-4.職場復帰後にストレスを感じた時の対処法
最後に職場復帰をするにあたって、1-2でお話した周りの人とのコミュニケーションと同じくらいに大切といえるのが、この復帰後に職場でストレスを感じた時の対処法です。このリハビリテーションをしていない、または上手くいってないと休職後に職場復帰しても
↓
パニックになってしまったり、ひどい自己嫌悪になってしまう
↓
うつ病の再発や症状が悪化してしまい、再度の休職となる可能性も。。。
という風になってしまうので、うつ病からの職場復帰の為のリハビリテーションの中でも必要度としては高いといえます。
2.リワークプログラムとは?
うつ病を患って休職をし、職場復帰となる場合に利用した方がいい、そして今導入する企業が増えているのが『リワークプログラム』と呼ばれているものですが、一体どのようなプログラムなのでしょうか?
2-1.職場復帰する際に必要な知識を総合的に学べる
リワークプログラムとは何か?と聞かれたら、私なら
『うつ病から職場復帰する際に必要な知識を総合的に学べるもの』
と答えるでしょう。というのもリワークプログラムというのは「職場で仕事をする」という部分だけに特化しているワケではないからです。うつ病になると仕事が出来ないという大前提の他に
- 人とのコミュニケーションが取れない
- 仕事力や作業力といったのが減少する
- 集中力の低下
- 職場復帰後のうつ病再発防止や負担を感じた時の対処法
というようにクリアしておかないといけない事が多くあります。これらを全て一人で休職中に出来るようにするというのは無理がありますし、まず出来ないでしょう。リワークプログラムはそれを出来るようにして、よりスムーズにそして復職者が負担を感じないで仕事を続けられるようにしていくものなのです。
2-2.リワークプログラムの一例
ここでリワークプログラムには、どんなものがあるのか?というのを一例としてご紹介します。
セルフトレーニング
自分のうつ病の症状や正しい知識を学ぶ
投薬治療をしている場合は、職場復帰後の薬の管理といったのも学んでいく
メンタルトレーニング
職場復帰した後でストレスや心に負担を感じた時の対処法
どうしてうつ病になったのか?というのから始まり、同じ状況にならない為の対策法を学ぶ
コミュニケーショントレーニング
人とのコミュニケーションの取り方を学ぶ事でストレスを減らし、職場復帰をしやすくする
この他にも何人かのグループで集まってゲームやスポーツをしながらコミュニケーションの練習を兼ねるグループトレーニングや、陶芸やエクササイズといったのを取り入れた作業療法や趣味を楽しむといったトレーニングもあります。
★中には食事療法トレーニングも。。。
うつ病による職場復帰の為のリワークプログラムの中には「食事療法トレーニング」を実施しているところもあります。というのも、うつ病になる原因の一つに過剰なカロリー摂取や偏食による栄養の偏りといったのが考えられているからです。
そして、うつ病になると食欲減退といった症状もですが過食や拒食を起こしていたりもするので、そういったものを食事療法トレーニングで改善していこうという事で、リワークプログラムの一つとしているのです。
2-3.リワークプログラムの条件
リワークプログラムはうつ病の人で職場復帰を考えているなら全員が対象になるか?と言えば、そうではありません。リワークプログラムは基本は精神科専門の医院や、精神科のある総合病院、また企業で行うのであれば企業に通う必要があります。だから
「リワークプログラムに通える」
のが、まず最大の条件となります。「早く職場復帰したい!」という気持ちは分かりますが、ここで焦るとうつ病による職場復帰の道は遠のいてしまうので、もしリワークプログラムを受けて復職をしたいと考えているなら、まずご自分のうつ病の症状を落ち着かせましょう。
2-4.リワークプログラムを行っている場所
うつ病の為のリワークプログラムは、現在その多くは精神科専門病院や精神科のある総合病院で実施されています。また企業が独自でリワークプログラムを作っているという場合も数としてはまだまだ少ないですが存在します。
ご自分がうつ病の治療をしている病院にリワークプログラムがあればそれを利用するのが一番いいでしょう。もし治療をしている病院にリワークプログラムが無い場合は、主治医に相談してみてください。
2-5.病院のリワークプログラムは有料
企業でのリワークプログラムのだと費用がかかるといった事はあまりないのですが、病院の場合だと保険適応とはいえいくらかの費用がかかります。目安としては1日約800円です。
これにテキスト代や作業療法をする時の材料費、そして自分が今うつ病を治療している病院以外のリワークプログラムに参加する場合は、主治医の診断書が必要となりますので文書作成料というような実費がかかる事がありますので、こういった場合はリワークプログラム以外にかかる費用について、病院へ確認しましょう。
3.リハビリ出社、軽減勤務について
ここでうつ病から職場復帰が出来るようになるまで回復した復職者に対して、どういった対応をするとスムーズな職場復帰そして仕事を続けられるようになるのでしょうか?
3-1.リハビリ出社
うつ病からの職場復帰の際に
職場の雰囲気に慣れる
というのをメインに少しずつ出社していくのがこのリハビリ出社です。
リハビリ出社のやり方としては
- 月・水・金の週3日の午後のみ出社
- 月曜日から金曜日まで午前中のみ出社
というのがありますが、復職者本人のうつ病の症状によって勤務可能な時間や出社日数というのは様々なので、ここは復職者のうつ病を治療している主治医に「どのくらいなら勤務が可能か?」というのを確認しましょう。
そして少し職場の雰囲気に慣れてきて、うつ病の症状が更に安定しているようであれば
月曜日から金曜日までのAM9:00~PM2:00まで
というように出社日数や勤務時間を延ばしていきます。
そして最終的な「月曜日から金曜日までフルタイム」の勤務となります。
うつ病を患ってしまうと家に引きこもってしまったり、昼夜逆転のような生活リズムが崩れてしまうという事が起こります。復職ですから「仕事をする」という目的はありますが、その前の
- 始業時間に間に合うように起きる、翌日に影響がでない時間に寝る
- 交通機関を使って通勤する
という出社に関わる部分もリハビリ出社で一緒にできるので、リハビリ出社はうつ病で休職していた人が職場復帰する為の第一歩としての役割といえます。
※ 主治医への確認を忘れずに ※
復職者本人にとっても、会社としても職場復帰というのは嬉しい事です。しかしだからといって、先程のリハビリ出社やリワークプログラムといったのが何の問題もなく出来ているか?といわれれば、そうでない時もあると思います。
そこで職場復帰後は、特に復職者の主治医と小まめに連絡を取り、職場での復職者の様子や復職者が通院した際の様子といったのを確認しましょう。こうする事で「少し、仕事を減らした方がいい」、「出勤日を増やしてもいい」といった判断がつきやすくなってきます。
復職者本人の「もっと仕事をしたいので、仕事量を増やしてほしい」、「勤務日を増やしたい」という言葉を鵜呑みにするのは、せっかくの職場復帰が水の泡となる可能性が高いので、そう言われても主治医への確認をしてからにしましょう。
そこで主治医への連絡を小まめにする方法として、電話でも構いませんが記録として残せるように「復職者ケアシート」みたいなのを作ってFAXやメールで送ったり、治療日に職場の上司や人事または労務担当のスタッフが一緒に行って、主治医の話を聞くのもいいかもしれません。
3-2.軽減勤務について
リハビリ出社と合わせて、うつ病からの職場復帰の際に行われる支援に『軽減勤務』があります。軽減勤務の内容としては色々ありますが、まずは軽減の軽の『軽い仕事から』です。
軽い仕事と言ってもパソコンを使った入力、書類整理、郵便の発送と様々なのがあります。まずこういった仕事としては軽いものから始めていきます。うつ病からの復職の場合、こういった内容の仕事であっても、それまで休職していたので疲れを感じたり、ストレスを感じるといった場合があります。
だからまずこうした仕事から始めて、
- 職版の環境に慣れる
- 疲れや心への負担の度合いをチェックする
- 作業力の向上
といったのを図っていきます。
次に軽減の減『減らす』です。これはもし復職者が前職と同じ仕事で復帰をする場合に「ここは私がするので、こっちをお願いします」というように本人が休職前にしていた仕事量を減らすというやり方が一つあります。
というのも、うつ病になると心身のバランスを崩しているので
- 今まで出来ていた事が出来ない
- 集中力の低下
といった症状がでる人もいます。復職者としては
「せっかく職場復帰したから頑張らないと!」という思いはあっても、こうした症状から「出来ない。。。」と落ち込んでしまい、そこからうつ病の再発や悪化を招いてしまう危険があります。
だから同じ仕事であっても、まずは仕事量を減らして様子をみて徐々にという形の方が必要といえます。
また同じ仕事でない場合でも勤務時間を減らす、出社日を減らすといった事から始めましょう。これは3-1のリハビリ出社でお話ししましたが、うつ病からの職場復帰というのは職場だけでなく「会社に行く事」や「仕事をする生活」という事自体にも慣れていかないと職場復帰は上手くいかないからです。
うつ病からの職場復帰に焦りは禁物です。時には長く感じるかもしれませんが、完全復帰を目指すのであれば、少しずつコツコツが大切なので、まずはリハビリ出社や軽減勤務から始めていきましょう。
4.再発を防ぐ、復職後のフォロー
うつ病になってしまい仕事を休職、その後職場復帰となった時というのは、仕事が出来る・職場に戻れるという嬉しさがある反面、頑張り過ぎたりするとうつ病を再発する危険性があります。そこで復職後に、どんなフォローをしたらいいのでしょう?
4-1.仕事内容を明確にする
うつ病から職場復帰した時、いきなり前と同じように働くのは無理があります。だからリハビリ出社や軽減勤務といったのから始めるのが職場復帰の第一歩ですが、実際に職場復帰した後の実務を行う上でのフォローとして、まず仕事内容を明確にします。
うつ病の症状として集中力の低下や出来ていた事が出来ない、またはするのが難しいといった作業力の低下というのがあります。ですからいきなり「この仕事をお願いします」とポンと任されても、うつ病から職場復帰した人の場合は
↓
自分はダメなんだ
という感情がうまれてしまいがちです。うつ病でなくてもこういう風に感じる事はよくあるかもしれませんが、うつ病になってからの復職というのはそういった事がメンタル部分に作用しやすいので、うつ病を再発してしまう可能性が高くなってしまうのです。
ですから、何か仕事をお願いするのであれば
「この書類を封筒に入れてたのを20部作ってください。終わったら切手を貼ってください。」
というように仕事内容を明確にしてあげると、復職者も作業がしやすくなります。口頭で言うのが難しい場合は仕事内容のメモをつけておくといいでしょう。その時に
「分からなかったら、遠慮なく聞いてくださいね」
といった一言があると、復職者にとっては「分からなくても大丈夫」という安心感を得ながら、仕事が出来るようになります。
4-2.復職者のちょっとした変化に気づく
うつ病からの復職者の場合、元気に仕事をしているように見えて、実はそうでないといった事がよくあります。こうなる原因として考えられる第一は
「せっかく職場復帰したのに、みんなに迷惑をかけては。。。」
という復職者の思いです。そしてこれ以外に挙げられるものとしては
- リハビリ出社や軽減勤務の内容が復職者とあっていない
- 職場復帰した事でのストレス
- 肉体的・身体的疲労
といったのがあります。
もし復職者が職場で
- 落ち込んでいる
- 寝不足または疲れているような感じがする
- 無断欠勤や遅刻が増える
というのが見られれば、それは復職者が言い出せない職場復帰した事でのストレスや負担なのでフォローが必要です。
こういう場合のフォローで一番いいのは『よく復職者と話し合う』事です。それには週に1回、または復職者が帰社する前にミーティングをして、こまめに話を聞けるようにしましょう。
そして上司はそれについて気づく点があれば、人事や労務へ相談して復職者の現在の勤務形態に無理がないかをチェックしましょう。そこでもし無理がありそうなら、復職者・上司・人事や労務のスタッフで勤務形態の練り直しみてください。
ただ上司と復職した部下となると立場上「言いだし辛い」という雰囲気になるかもしれません。そういった時の為に、上司だけでなく同じ職場の同僚や部下といった立場の人も気づけるようになっておくのがいいでしょう。
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