うつ病は薬を使った投薬治療が一般的といわれていますが、これ以外に
『自分の考え方の癖』
からうつ病を治していく「認知行動療法」という治療法があります。
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うつ病治療なら東京日本橋のYSこころのクリニック
目次
1.認知行動療法とは?
認知行動療法というのは、うつ病の患者さんの
- 物事の考え方
- ストレスの受け止め方
といった心理的な面の治療をする時に用いられる精神療法の1つです。
1-1.「認知」って何だろう?
ところで、認知療法の「認知」って何だと思いますか?調べてみると認知というのは
「その人が考えている事やイメージしている事」
とありました。考えやイメージというのは、その人が生まれてからの環境や周りの人からの影響によって出来た物事の見方・捉え方といったのも含むので、
『その人独自の考え方』
ともいえます。うつ病を患っている人の中には、この認知が原因となっている場合があるといわれています。
1-2.うつ病患者特有の考え方の「ゆがみ」を変えて、毎日の生活を過ごしやすくしていく
- 何事も完璧にしよう。
- 黒か、白か。
というように0か100または二者択一というような考え方をしているのが、うつ病患者の認知の特徴といわれています。
更に新型うつ病といわれるタイプだと
「私がこんなに頑張っているのに!私は悪くない!周りが悪いんだ!」
と相手を非難や攻撃したり、
「毎日、楽しい事が一つもない。けどこれって、そう思えない私の性格なんだろうな」
と自分の抑うつ状態を「性格」と捉えてしまう気分変調性障害といわれるタイプだと、こうした考え方や物事の捉え方が、段々と日常生活に問題を起こしやすくしていきます。そこでこうした
「考え方(=認知)のゆがみ」
を認知行動療法で少しずつ変えていき、毎日の生活を過ごしやすくしていきます。
1-3.物の見方や考え方は治療するけど、性格や人柄を変えるという事ではない
その人の物の見方や考え方というのを認知行動療法では治療していきますが、これは
『その人の性格や人格を変えるというのではありません』
だから、もしも
「認知行動療法で考え方を変えるっていうなら、もしかして人格や性格が変わるんじゃ。。。」
と不安に感じているのであれば、そういった事はありませんので心配しないでください。
2.うつ病治療に用いられる認知行動療法について
次は実際にうつ病治療に用いられる認知行動療法について、どんな事をしていくか?といったのから治療の目的やメリット等について紹介していきます。
2-1.認知行動療法で使われる「道具」
他の治療で薬や器具といった道具を使うように、認知行動療法でもちょっとした「道具」を使います。それは
『行動記録表』 『思考記録表』
といわれるものです。
これは毎日の生活の中で、自分がした行動や思った事といったのを日記のように記録していきます。自分がした行動や思った事を書き留めていきます。そして書き留めたものを、落ち着いている時に見て
「私って、こういう考え方をするんだ」 「こういう事があると、私はこんな行動をとるんだ」
と振り返れるようにします。この行動記録表や思考記録表といったのは決まったフォーマットといったのはなく、医療機関によって各々違うフォーマットですが
- 自分がした行動
- 自分が感じた気持ちや考え
- どのくらい不快な気分がしたか?
という基本部分はどの場合でも同じです。この行動や思考記録表を記録して、まず
「自分の根底部分にある考え方を知っていこう」
というのが認知行動療法の治療の最初となります。
2-2.『自分の考え方』を見直す
行動認知療法では自分の考え方や行動だけでなく
『自分の考え方の癖』
も見直していきます。
ここで一つ質問ですが、皆さんの中に
「マイルール」
みたいなのを各々持っている方いませんか?マイルールを持っているだけでは、そこまで問題とはいえませんが、うつ病になる人・なりやすい人というのはこのマイルールの中で特に
「~しなければならない」 「○○すべきだ」
という考え方が多いといわれています。そして、自分のこうしたマイルールを是が非でも遂行しようという強い信念ともいえるのが、うつ病になるきっかけとなっていたりします。
認知行動療法では、こうした強い「~しなければならない」、「○○すべきだ」という考え方を
「こういう考え方もある」 「こういう見方もある」
というようにしていく事で抑うつ状態を和らげたり、うつ病を治しやすくしていきます。
2-3.『丁度いいところ』、『楽になるところ』を探す
思考を記録して、自分の考え方の癖や物事の捉え方を見直していく認知行動療法が、うつ病治療に用いられているのには、日常生活に支障が出たり、うつ病になってしまう程の強い思いや考え方を
「この時、こう思った」 「あの時、こんな行動をした」
というのを記録して、それを医師や専門家と一緒に見ながら
「今まで自分が思わなかった考え方や物事の捉え方」
というのを探していきます。この時、医師や専門家からは
「こういう風に考えた方がいいですよ。」
というのはなく、どちらかといえば
「こんな考え方もありますね。」
というように、うつ病患者本人が気づけるようにしていく形となっています。普通、医師の治療というと「こうしてくださいね。」という風に思われがちですが、認知行動療法では
「こういう風に考えた方がいいですよ。」
としてしまうと、
「そうか、こう考えないといけないんだ」
という「~すべき、○○しなくてはならない」といった考え方の癖を治せない可能性が高いからです。だから「こんな考え方もありますよね。」とする事で、
「あぁ、こういう考え方もあるんだ。その考え方は良いな」と患者本人に気づかせる、アプローチしていくというのが治療の基本となっています。うつ病患者さんの考え方や物事の捉え方の
『うつ病とならない丁度いいところ』 『今あるうつ病の症状を楽に出来るところ』
を探していく。これが認知行動療法の大きな役割そして目的といえます。
2-4.認知行動療法は医師や専門家と一緒に治療する方が効果大
2-2と2-3で
「認知行動療法では、自分の行動や考え方を記録して、それを見直して自分の物事の捉え方や癖を知っていく」
と話しましたが、ここだけ見ると
「じゃあ、自分一人で出来るんじゃないの?」
と思うかもしれません。確かに記録して、見直すだけなら医師や専門家を頼らなくても出来ます。しかし、自分一人でした場合
「私、こんな事したんだ。なんて、ダメな人間だろう。。。」
となってしまったり、中には
「私の考え方は間違っていない!やっぱり、あの人が悪い!」
と嫌な思い出だけが蒸し返されるという事があり、どちらにしてもうつ病を悪化させる方向へと進んでしまいます。
またこれを家族や友達といった自分を知っている人に見せたとすれば、
「そういう風に考えるのが悪い。」 「昔から、そんな考え方だよね。」
とマイナス的な事しか言われない確率が高いので、これも結局は抑うつ状態を増やして、うつ病悪化へと繋がってしまいます。
また当然の事ながら、認知行動療法は記録するというのが治療ではないので、ここだけしても「新しい物事の考え方を見つける」という所まで行き着かないので、
「自分一人で認知行動療法をするのは無理がある」
といえるのです。
認知行動療法は医師や認知行動療法の専門家と一緒にした方が、一人でするよりも新しい物事の考え方や捉え方をアプローチしてくれるし、症状を悪化させる事なく治療出来ます。だから認知行動療法でうつ病を治していきたいとするなら、是非、医師や専門家と一緒に治療していきましょう。
まとめ
認知行動療法は、うつ病の患者さんが今まで思っていた物事の考え方や捉え方といったのを
「こんな考え方もある」
というのに気づかせていく事で、
「じゃ、今度はこうしてみよう」
と、それまでは考えなかった方法を作っていく事で、抑うつ状態を和らげる、ストレスに上手に対処していけるようにしていくので、この治療を行ったうつ病患者さんの中には
『薬を使わずに治せた』 『投薬治療をしているけど、前よりも薬を減らせた』
という人が多くいます。
うつ病の薬というのは副作用が強い物が多く、それが辛いという患者さんも沢山います。また薬を使うと「薬がないと症状が治まらない、落ち着かない」という新たな症状や薬を処方された量より多く飲むという間違った方向へ進んでしまうという可能性もありますし、実際にそういったケースは多いです。
こうした部分を考えると、薬を使わずに治療出来る認知行動療法は副作用がないというメリットだけでなく、物事の考え方や捉え方といったのを変えていくものなので、治療効果の持続性というのにも期待がもてるのではないかと思います。
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