うつ病治療で行われる『薬物療法』。
- 使われる薬にはどんなもの?
- 副作用はどんな感じなの?
- もし副作用が出た時の対処方法は?
ここではそんな事について、お話していきます。
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うつ病治療なら東京日本橋のYSこころのクリニック
目次
1.うつ病で代表的な薬物療法
うつ病の治療には薬物療法、認知行動療法、栄養療法といったのがありますが、基本といえるのはここで取り上げている『薬物療法』です。
1-1.薬物療法で、まずは「抑うつ症状」を和らげる
うつ病で薬物療法が基本といわれるのは、治療において
- 抑うつ症状
- 不安感
- 焦燥感
といったのを和らげる必要があるからです。こうした症状が改善されないと、睡眠障害や過食・拒食といった摂食障害といったうつ病に付随して起こる症状も治りづらくなります。ただ、
- 新型うつ病や気分変調性障害の治療法の認知行動療法
- 仮面うつ病に最近用いられる栄養療法
といった治療法で症状が良くなったという話を聞いた事がありませんか?
認知行動療法や栄養療法も確かにうつ病のタイプによっては良くなる可能性は高いのですが、これらだけで治療するには抑うつ症状を抑える効果は低いといえるので、薬物治療との併用という形が多く取られています。
うつ病の治療法というのはこのように幾つかの種類がありますが、薬物療法で
「まずは抑うつ症状を和らげる」
のが第一となるので
『うつ病の治療の基本かつ代表的なのは薬物療法』
とされているのです。
1-2.うつ病の薬物療法で使われる薬の処方パターン
1-1で紹介したように、うつ病の治療の第一は「抑うつ症状を和らげる」ですが、うつ病をよく知らない人からすると、
「抗うつ薬を飲んでいる」
というのは分かっても、それ以外に薬を服用しているというのは分からないかもしれません。
うつ病の薬物療法も、普段私達が風邪で病院にかかった時に総合感冒薬・胃薬・うがい薬といったように薬を幾つか処方されるのと同じなので、抗うつ薬だけという事は余りありません。
うつ病の治療を開始した頃は、まず抗うつ薬で症状を抑うつ症状を抑えていくのですが、この抗うつ薬の効果は飲み始めてから2~3週間ほどしてから出てくるので、その間に抗不安薬を使って不安感や焦燥感を和らげていきます。
ちなみに、うつ病で使われる薬の処方パターンの代表的なのは下のようになっています。
①抗うつ薬のみ
②抗うつ薬+抗不安薬
③抗うつ薬+抗不安薬+副作用を抑える薬
④抗うつ薬+抗不安薬+睡眠薬
⑤抗うつ薬+抗不安薬+睡眠薬+副作用を抑える薬
①の抗うつ薬のみというのは、うつ病の治療をスタートしたばかりや症状が軽い時に使われ、②から⑤については患者さんの症状と定期的なカウンセリングによって、薬を変えたり、種類を増減していきます。また、仮面うつ病のように身体に症状が出る場合は、これらの薬と一緒に鎮痛剤や吐き気止めといったのも処方されます。
2.使用される主な薬の種類
次にうつ病で使用される薬の種類についてまとめました。カッコ内に書いてあるのは、代表的な薬品名です。
2-1.抗うつ薬
- SSRI(ルボックス、デプロメール)・・・セロトニン濃度を増やし、不安や抑うつ症状を抑える
- SNRI(トレドミン、サインバルタ)・・・セロトニンやノルアドレナリンの濃度を増やして、うつ症状を和らげたりやる気を増加させる
- NaSSA(リフレックス、レメロン)・・・セロトニンやノルアドレナリンの神経伝達を強めて、うつ状態を抑えていく
ここで 「セロトニンやノルアドレナリンって、何?」
という人の為に簡単に説明しておくと、セロトニンやノルアドレナリンは脳で作られている脳内ホルモンと呼ばれているもので、セロトニンは幸福感や安心感、ノルアドレナリンは充足感ややる気といった「心の状態」を形作っています。
セロトニンやノルアドレナリンが少なくなると、イライラや不安感を感じやすくなり、これが長く続くと「うつ病の発症や悪化・再発」へと繋がってきます。
2-2.抗不安薬
不安を和らげる抗不安薬として使われる薬には、
- メイラックス
- デパス
- コンスタン
といったのがあります。これらは脳の神経に働いて、緊張感・不安感・恐怖心といったのを鎮めてくれる効果があります。
2-3.睡眠薬
デパス、マイスリー、ユーロジンといった薬は、うつ病では主に睡眠薬として処方されます。これらは脳神経の興奮状態によって出てくる不安や緊張を和らげて、寝つきをよくしてくれます。
以上がうつ病で主に使われる抗うつ薬・抗不安定薬・睡眠薬ですが、薬物療法が長くなったり、薬が数種類処方されると、
「最近、症状が出ないから、この薬はいいかな」
「うつ病で眠れないから、睡眠薬多く飲もうかな」
という自己判断と言える考えが生まれてきます。こうした自己判断で服薬を止めてしまったり、処方と違う飲み方をしてしまうと、
- 副作用が強く出る
- うつ病が悪化する
3.副作用の症状例
2-2の最期に『副作用』という言葉が出たので、3では副作用の症状例というのを具体的に紹介していきます。
3-1.眠気
うつ病の薬物療法で使われる薬で一番多い副作用といえるのが『眠気』です。うつ病の場合、
「精神状態を安定させる」
「抑うつ症状を抑える」
「睡眠障害を取り除く」
という目的があるので睡眠薬は勿論ですが、抗うつ剤や抗不安定薬といったのでも副作用として眠気がみられる事が多いです。この眠気ですが薬によって、また患者の症状や体調によって強弱というのは様々です。
3-2.口や喉の渇き
抗うつ薬のSNRIやNaSSAといったのや、リーマスなどの気分安定薬を飲んでいると、口や喉の渇きといった副作用があります。これは脳の中で情報のやり取りをしている神経伝達物質に薬効が作用しているからといわれています。
3-3.吐き気、むかつき等の消化器への副作用
吐き気やむかつきといった消化器への副作用は、抗うつ薬を飲み始めた頃に多く見られる症状です。大抵の場合は1,2週間すれば症状は治まるのですがその間のこうした副作用を抑える為に、胃の粘膜を保護する効果のある胃薬みたいなのを一緒に処方される場合があります。
うつ病で使われる主な薬での副作用の代表的なのはこういったものですが、これ以外にも
- 排尿障害
- 発疹が出る
- 立ちくらみ、めまい
といったのがあるので、薬を処方されたら主治医や薬剤師に
- 薬の効能や飲み方
- 副作用の症状について
4.副作用の対処方法
薬での治療の場合「副作用は付き物」といえますが、うつ病の薬で副作用が出たら、どう対処したらいいのでしょうか?
副作用1:眠気
うつ病の副作用で眠気が出る場合、
「緊張や不安感が取れてきている」
と考えられる状態ともいえるので、
『副作用ではあるけど薬が効いてきている』
とも考えられます。だから「良い副作用」といえるのですが、それでも
「昼間でも強い眠気がする」 「食事を摂れないほど、眠い」
というような日常生活に支障が出る場合には、主治医に相談して薬を変更してもらうのを考えましょう。
中には、自宅療養でうつ病の治療をしている場合ともありますが、この場合は眠気がしたら少し寝てみるのもいいのですが、「昼夜逆転の生活」になってしまう可能性があるので、この点には注意が必要となってきます。
副作用2:吐き気やむかつき
この副作用については抗うつ薬を飲み始めた頃にみられ、大体1~2週間前後すれば治まってくるのですが 「どうしても治まらない」場合は、消化器を保護する薬を処方してもらうか、抗うつ薬の変更をしてもらうといったのが対処方法となります。
副作用3:口や喉の渇き
うつ病の薬で口や喉の渇きといった副作用を感じた時、対処方法としては
- ガムやアメを口に含んで唾液が出やすいようにする
- 小まめに水や麦茶を飲む
といった対処法があります。この時、糖分の多いアメやジュースなどで副作用対策をすると糖分過多となるので口に含むなら、糖分の少ない飲み物やシュガーレスのアメなどにしましょう。
この他の副作用と対処法には
①排尿障害・・・水分を小まめに摂って、頻繁にトイレに行く。 尿が出にくい場合は、主治医に利尿剤を処方してもらう。
②発疹・・・薬の処方を変えてもらうか、かゆみ止めを処方してもらう。
③立ちくらみ、めまい・・・立ちくらみやめまいを感じたら、まずはその場にしゃがんでみる。 症状が治まったら、ゆっくり立ち上がる。 回数が多い場合や、症状が強い場合は転倒して頭をぶつける可能性があって危険なので、主治医に相談して薬を変えてもらう。
といったのがあります。副作用については患者さんによって、強弱や頻繁さといったのは様々ですがこういった副作用が
「日常生活に問題が出る程きつい」 「副作用が強過ぎる」
と感じた場合は、直ぐに主治医に相談しましょう。またもし薬局で薬を処方してもらった時に
「この薬、副作用がな~。。。」
と思ったら、薬剤師さんに相談してください。薬剤師さんが貴方の副作用の様子を聞いて、「薬を変更した方がいい」と判断したら、主治医に連絡を取って処方の変更をしてもらえます。
うつ病の薬の副作用は日常生活に影響が出やすいものが多いので、
「副作用がキツイな」
と思ったら、迷わずに医師や薬剤師さんに相談しましょう。
まとめ
うつ病の治療の基本といわれている薬物療法。薬ですから副作用の心配があるのは当然ですが、中には「眠気」のように薬が効いているのが分かる副作用というのもあるので、一概に
「副作用は全て辛い」
とは言えないのかもしれません。
ただ強さやキツさというのはありますから「どうしても辛い」という時は、その辛さを耐える必要はありません。ただ、そこで薬の服用を止めると、うつ病が悪化したり、症状が改善されないという状況に陥ってしまいます。
だから、そんな時は対処方法を使ってみたり、主治医に相談して処方を変えてもらうといった手段を選択しましょう。人の好みと同じように、薬の「合う、合わない」も人それぞれです。だから副作用はあって当然といえるので、合わないのを我慢して服用するのではなく、きちんと主治医に副作用の状態を話して
「副作用が少なくて、貴方にあったうつ病の治療薬」
を見つけていきましょう。
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