皆さん。うつ病と聞くと、どんなイメージがありますか?こう聞かれると、その答えの大半は
① ずっと気分が落ち込んでいる
② 眠れない、食べられない
③ 抗うつ薬や抗不安薬をずっと飲み続けないと治らない
となるでしょう。そして確かにこれらのイメージは、うつ病の症状という意味では間違っていません。しかし、上の①~③の症状に
『当てはまらないうつ病』
というのが存在するのを、ご存知でしょうか。
今なら、うつ病を「知っている」という人は結構多いと思いますが、中には①~③のような「イメージが先行して」正しく理解されていないという場合があります。
もしこうしたイメージが先行してという形で、うつ病を理解しているとそれは「思い込み」となってしまうので、うつ病の治療を受けたり、ケアをする時に間違った方向へいく可能性があります。
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そこで今回は、うつ病に対するイメージの中でも特に多いとされる
- ずっと気分が落ち込んでいる
- うつ病治療薬をずっと飲み続けないといけない
- うつ病は心が弱い人がかかる
について考えていきたいと思います。
目次
イメージ1:うつ病になると「ずっと気分が落ち込んでいる」
うつ病と聞いて、私達が一番最初にイメージするのは
「ずっと気分が落ち込んでいる」
ではないでしょうか?
気分の落ち込み、不安、焦り等を絶えず感じるというのは、うつ病を引き起こす抑うつ症状の1つですが、新型うつ病や非定型うつ病というタイプは
「良い事があると、気分が明るくなる。または落ち込みの症状が一時的でもなくなる」
という特徴があります。
同じうつ病なのに、こうした違いがあるのにはどうしてなのでしょうか?この問題を解くヒントといえるのが、どちらのうつ病の場合でも発症するきっかけとなる
『ストレス』
です。うつ病の原因がストレスというのは、既に皆さんよくご存じだと思いますが、私達が「ずっと気分が落ち込んでいる」とイメージしているうつ病は、
- 自分が悪いんだ
- もっと自分は努力しなければ
- 周りから期待されているような自分でいないといけない
というように『自分に対して、過剰なストレスとかけていく』時に発症する事がが多いです。
それに対して新型うつ病や非定型うつ病といったうつ病は
「私が仕事でミスしたのは、〇〇さんがちゃっと指示してくれないからだ!」
と、
『自分ではなく、周りの人に対してストレスを感じる』
傾向が強いので、気分がずっと落ち込んでいるというのは少ないですし、
- 休日
- 自分の好きな事をしている時
- 誰かに褒めてもらえた、認めてもらえた時
等は調子が良い方が多いといわれています。
ストレスの方向が
「自分へ」なのか
「周りに対して」なのか
というので患うであろううつ病のタイプが違うだけでなく、
「うつ病はずっと気分が落ち込んでいるワケではない」
となるので、私達が感じている「うつ病はずっと、落ち込んでいる」というイメージは違ってくるといえます。
そして私達が「気分が落ち込む」というイメージがあるうつ病は、「大うつ病」といううつ病の中でも主たるといえるタイプのうつ病であり、全てのうつ病が気分の落ち込みがあるか?といえば新型うつ病や非定型うつ病のように、そうではないタイプも存在しますので
『うつ病のタイプは色々ある』
というのと、「気分が落ち込むだけが、うつ病の特徴やイメージではない」というのを知っておいた方がいいでしょう。
イメージ2:抗うつ薬等の「うつ病治療薬」をずっと飲み続けないといけない
次のうつ病に対してのイメージは、
「うつ病治療薬を、ずっと飲み続けないといけない」
です。
うつ病を患うと抑うつ症状を和らげるのに抗うつ薬や抗不安薬といった「うつ病治療薬」を用いて、更に眠れないなら睡眠薬、胃腸を保護する為に胃腸薬といったのも処方され、半ば『薬漬け』になるという情報から、うつ病治療薬の「常用性」や「副作用」を心配するのは勿論ですが、うつ病の患者さんが
「治療をするのを躊躇してしまう」
ケースも少なくないそうです。
うつ病の治療は、まずどんな場合でも今感じている不安や抑うつ症状を抑えない事には、改善や完治はは不可能と言えるので、投薬治療はうつ病の基本とされていますが、現在はうつ病の症状を確認しながら少しずつ治療薬の用法や回数を減らしていく
『減薬』
という方法を用いる医師が多いです。そして減薬によって
- 薬を治療開始時より減らす事が出来た
- 最終的には、薬を飲まなくても問題なくなった
といううつ病患者さんが沢山います。ですから、私達がイメージしているようなく「うつ病治療薬をずっと飲み続けないといけない」というのは少なくなってきているようです。
また、今は投薬治療だけでなく
- うつ病に陥りやすい自分の物事の捉え方や、ストレスに対する感じ方を修正する『認知行動療法』
- 栄養不足から、うつ病改善や回復を図る『栄養療法』
- 専用の機器で脳に電磁波の刺激を与える『TMS治療法』
等を用いて
『薬を使わないうつ病治療』
を行う専門医も多くなってきていますし、これらと投薬療法を組み合わせて「出来るだけ薬を用いないうつ病治療」というのも行われていますので、
「治療薬を飲み続けないといけない」
とものではなくなってきているといえますし、どちらかというと薬を出来るだけ使わないうつ病治療が、今のうつ病治療の主流となってきているようです。
イメージ3:うつ病は「心が弱い人」がかかる
うつ病のイメージで割と多いのが、これからお話する
『うつ病になるのは、心が弱いから』
です。
このイメージが多いのには、うつ病になったのは
- ストレスに弱い=心が弱い
という風に考えられているからではないかと思われます。
しかし、ちょっと待ってください。ストレスは
- 仕事、出産・子育て、介護といった「環境」
- 友人とのトラブル、身近な人が亡くなるといった「出来事」
- ~しなければならないという「その人自身の考え方」
といった『ストレスを作る素』が存在しています。
そして、このストレスを作る素は心が弱いというよりも、
「その人が遭遇した出来事や物事の受け止め方」
によって作られる事が多いです。
そこで、
- 環境やうつ病の原因に繋がる出来事を「自分の予想と違う結果になった」、「思ってもいなかった事が起きた」
- その人自身の考え方を「それまでに培われたものによって」
と捉えると、どちらの場合も
『心が弱いから』
というのは含まれないといえます。
また、うつ病になりやすい人の特徴に
- 頼まれたら、嫌と言えない
- 自分よりも、他人に尽くす
というのがありますが、こうした人の場合
「本来の自分を抑えてでも、頑張る」
という考えがうつ病になる直接的な原因といえるので、この場合は
『必要以上に頑張ったから』
というのが原因となりますので、ここにも心の弱さというのは関係しないといえます。
よく、うつ病の例えに「心の風邪」というのがありますが、風邪は心が弱いからなるというものではありませんよね?風邪をひく時というのは、暑さ寒さや、周りからうつったというような何かしらの理由があるのが殆どです。
だから、うつ病も決して「心が弱いからかかる」のではなく、必ずどこかに原因や理由が存在するので、うつ病になったからといって
『あの人は、心が弱い』
とするのは「ちょっとした偏見」といえるのではないかと感じています。
まとめ
うつ病の記事を書くようになってから、家族や友人とうつ病について話す機会が増えたのですが、その時にここで紹介したような
「うつ病になると、ずっと落ち込んでいたり、引き籠ってる」
「うつ病って、薬をずっと飲まないといけない」
「心が弱いから、うつ病になる」
というイメージをもっている人が意外と多いなと思いましたし、それが今回の記事を書くきっかけとなりました。
うつ病についての情報は色々あるのにこうしたイメージを持っている人が多いのは、恐らく、うつ病が
『まだきちんと理解されていないから』
ではないでしょうか。そして、こうしたイメージはうつ病を患っている人へのいわれのない差別や会社勤めをしている人であれば、退職を迫られたり、職場復帰しても長く続かないという事態を引き起こしていると個人的には考えています。
これから私達が「正しく、うつ病を理解する」為には、もしかしたら
『私達が今持っているうつ病のイメージを確認してみる』
という事が必要ではないかと思っています。
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