『うつ病』と一言で言っても、症状が周りの人が分かるタイプから「えっ!それって、うつ病なの?」と思うのまで様々あります。そこで、うつ病のタイプから治療方法、職場復帰についてまでといったのをまとめました。
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目次
1.うつ病にもいくつかのタイプがある
最初に
「うつ病になったら」または
「これって、もしかしてうつ病なのかな?」
と思った時の為に、うつ病のタイプについてからお話していきます。
1-1.まずは代表的な3つのうつ病から
うつ病は、
『憂鬱な気分から抜け出せない』
という状態が長い期間にわたって続いている事で、これを「抑うつ状態」といいます。抑うつ状態が長く続くと、次第に
- 食べれない
- 眠れない
- 家(または部屋)から出られない
といった日常の生活に支障をきたすようになっていきます。また
↓
② 会社を休みたい
↓
③ けど、休んだら会社に迷惑が。。。
↓
④ 休んじゃいけない。頑張って行かなきゃ
↓
⑤ けど、辛い。頑張れない。どうしよう?
と①から⑤までを何度も繰り返す『ぐるぐる思考』や、必要以上に自分を責める、そして「死にたい」といった思いから「自殺」を選んでしまうという場合もあります。「うつ病になったら。。。」という時に、代表的といえるのが
- 大うつ病
- 双極性障害
- 気分変調性障害
の3つです。各々どんなのかというののを、下に簡単に書いています。
① 大うつ病
大うつ病は一般的に「うつ病」と呼ばれているもので、恐らく患者さん数では一番多いといえます。ちなみにこの大うつ病の「大」は症状はひどい・重いといった意味での「大」ではなくて、大うつ病の英語名「major depression」に由来しています。
② 双極性障害
①の大うつ病が抑うつ状態だけがあるのに対して、抑うつと「躁(そう)状態」の2つが交互の症状が出るのが、双極性障害です。躁状態というのは分かりやすくいうと「気分がハイになっている状態」です。
だから、躁状態の時はやたらと喋るようになったり、常識を超えた考えや行動をとるようになる、寝るのがもったいないとおもうようになり睡眠をとらなくなるといった特徴があります。
双極性障害は抑うつ→躁と繰り返すように思われがちですが、人によっては抑うつ状態が1年以上続いた後に初めて躁状態が出て、双極性障害と分かるという形もあるので抑うつ状態と躁のサイクルは交互に来ると一概にはいえないようです。
③ 気分変調性障害
抑うつ状態が長く続くという症状だけだと、大うつ病を一見症状は同じに見えますが気分変調性障害の場合は「何もする気になれない、出来ない」といったうつ病とは違って、会社で仕事をする・家事をするという事は問題なく出来ます。
だから余計に気づくのが遅くなるという可能性が高く、患者によっては「そういう性格なんだろう」と自分の性格だからと思い込んでしまって、この病に気づかないという事もあります。
1-2.うつ病になったとしても分かりづらい2つのうつ病
次のうつ病は
『うつ病になったとしても分かりにくいうつ病』
を2つ紹介します。どちらの場合も1-1で紹介した代表的なうつ病と症状が違うので、このうつ病になったらとしても周りの人や患者さん自身も分かりづらいタイプです。
① 仮面うつ病
仮面うつ病になったら、その症状は頭痛、腹痛、手足のしびれというように「身体」に出てきますが、原因は心に抱えている抑うつ症状なので、抑うつ症状が改善されないとこうした身体の症状も治りません。
身体という『仮面』をかぶっているので、周りもそして患者さん本人も気づかない事が多く、医師さえも見逃してしまう場合があるといわれています。
② 新型うつ病
新型うつ病はこれまでの抑うつ状態があるうつ病のタイプと少し違って、抑うつとなるのは自分が苦手な事をしている時や会社にいる時といった「ストレスを感じる時」だけに出てきます。だから自分の趣味や休日といった時は元気です。
このうつ病の一番の特徴といえるのが、一度自分が不満やストレスを感じるとそれを『周りの人』のせいにしてしまうので、他人を強く非難したり、攻撃的になるという症状がでます。だから新型うつ病になったら「トラブルメーカー」として見られるというのも少なくありません。
1-3.その他のうつ病
この他にも、まだまだうつ病のタイプは色々とあります。よく聞くものとしては、出産後のお母さんが環境の変化や育児による疲れやストレスからなる「産後うつ」があると思いますが、それ以外にも冬の間だけ症状が出る「冬季うつ病」、最近患者さんが密かに多くなっているといわれている「主婦うつ」などもあります。だから、
「うつ病になったら。。。」
としても、一般的な大うつ病や双極性障害、気分変調性障害といった代表的なものだけではない、そして症状が抑うつ状態だけではないというのを知っておいた方がいいと思います。
2.うつ病の治療法って、どんなのがあるの?
「うつ病になったら。。。」
と考えた時、また実際にそう診断された時に気になるのは
『治療法』
ではないでしょうか。
2-1.主な治療法は投薬治療と『何もしない』という意味での休養
うつ病では「投薬治療」と「休養」が主な治療法です。うつ病の投薬治療で使われる薬というのは、
① 精神的な不安や抑うつ状態を取り除く抗不安定薬や抗うつ薬
② しっかりと睡眠がとれるように睡眠薬
③ 楽しい気分に司るセロトニンという脳内物質を増やす薬
といったのがあり、①を主体に②や③を追加でという形が多いです。これに副作用を抑える薬や仮面うつ病の場合だと、症状が頭痛などの身体に出るので頭痛薬といったのが処方されたりもします。
そして十分な休養を取る事なのですが、この休養というのは単に休むというのではなく
『何もしない』
という意味での休養です。というのも、うつ病になったら
「自分が休んだら周りに迷惑がかかる」
「私がしないと、誰もしないから。。。」
という思いに駆られるので、「何もしないでいる」という事がなかなか出来ません。
そして休養しているのについ頑張ってしまい、うつ病を悪化させるというケースも多くあります。だから、うつ病になったら投薬治療よりもこの『何もしない』休養という治療法の方が、患者さんには難しく感じるかもしれません。
但し、この休養については『新型うつ病』の場合は
「私は、うつ病だから仕事しなくていいし、会社に行く必要もないんだ」
という一種の『甘え』的な考えになってしまう可能性があるので、注意が必要となります。
2-2.新型うつ病や気分変調性障害に効果的な認知行動療法
「会社が悪い、家族のせいだ」と周りを非難してしまう新型うつ病や、
「楽しい事が何一つない」と思う気分変調性障害
といったうつ病になったら、その治療法として
『認知行動療法』
という治療法が行われたりします。これは
- その日あった出来事
- その出来事に対しての自分の気持ち
- 出来事に対して自分がした行動
といったのを日記のようにメモしていって、後で冷静になってから
「自分はあの時こんな態度をとったけど、これは誤った行動だな」 「この時、こう思ったけどそんな風に思わなくてもよかったな」
と自分の気持ちや行動を認知していき、症状の改善を図っていきます。認知行動療法はこうした
「自分の考えや性格に原因がある」
ようなうつ病には効果的の高い治療法といわれていますし、患者さんの中には「投薬の種類を減らせた」、「投薬治療をせずに改善できた」という結果が得られる事ももあるそうです。
2-3.栄養素を補給する事で、うつ病を治していく「栄養療法」
「うつ病になったら、ずっと薬を飲まないといけないんだろうな。。。」
と思った事ありませんか?確かにうつ病の基本は投薬治療ではありますが、今、
「薬の副作用の心配がない」
といった理由で、
『栄養療法』
というのがうつ病の治療法として注目されています。
栄養療法というのは、まず血液検査を行って
- 鉄分が不足していれば、鉄剤を
- ビタミンが不足していれば、ビタミン剤を
というように栄養素のサプリメントを処方していくというやり方です。
「うつ病に、どうしてサプリメント?」
と思うかもしれませんが、実は楽しい、やる気、充足感といった心の状態は脳で作られる脳内物質によるもので、この脳内物質はこうした栄養素から作られているからです。栄養素が不足すると、
↓
② イライラしたり、落ち込んだりするようになる
↓
③ ②の状態が長く続くと、段々とうつ病に。。。
となってくるので、栄養素と聞くと健康や体力についてと思われますが、実はうつ病を治す・改善させる為にも大切なものなのです。
実際に栄養療法も認知行動療法のように、薬を使わなくても症状が良くなったという結果が見られているので効果的といえますが、この治療法はまだ保険診療にはなっていないの治療費が全額自費となってしまうので、ちょっと高めになってしまうという弱点が一つあります。
うつ病の治療法はこのように投薬治療以外にも、いくつかの方法があります。しかし、自分のうつ病がどの治療法に合うか?というのは医師が判断する事なので、治療法を選り好みしたり、処方された薬をきちんと飲まないというのはちょっとナンセンスといえるので、薬を処方された場合はきちんと飲みましょう。
3.医療機関の見つけ方
うつ病になったら、どこに行ったらいいのでしょう?そして、うつ病治療をする医療機関を探す時に気をつけたい点というのには、どんなのがあるのでしょうか?
3-1.うつ病になったら、精神科?それとも心療内科?
うつ病になったら、専門の医療機関としては『精神科』と『心療内科』の2つがあります。この2つ、似ているようで
- 精神科 → 抑うつ状態や不安といった「精神的」な症状
- 心療内科医 → ストレスなどが原因で頭痛などの身体症状
が出ている場合と原則的ですが実は区分けされています。ただこれはあくまでも原則的なのと、精神科医が心療内科医をしている事もあるので、まずは自分の症状を病院へ連絡して問い合わせてみましょう。
3-2.症状がひどくても通える場所にある医療機関を
うつ病になったら、人によっては
- 外に出るのが怖い
- 電車やバスに乗れない
といった症状が出たりします。そんな時に自宅から遠かったり、公共交通機関で行かなければいけない医療機関に通っていると、通うだけで症状が悪化するというのも考えられます。
そしてうつ病になったら、初期から安定するまでの間というのは毎週や2週間に1度というように、こまめにに通う必要があるので、うつ病治療の為の医療機関を選ぶなら
『症状がひどくても通える場所にある医療機関を選ぶ』
というのをポイントにしておくと、治療をきちんと続けられるので「完治」も期待出来ます。
3-3.転院する時は必ず紹介状をもらってから
これはうつ病に限らない事ではありますが、
「どうしても相性が合わない」
というのがあります。そんな時は転院するという方法がありますが、この時
「いきなり行かなくなって、新しい病院で治療を受ける」
という事はしないでください。必ず
『紹介状』
をもらってから、転院してください。紹介状には前の病院でどんな治療を行ってきたか、そして投薬治療をしていた場合は処方薬についてというのが記載されています。これは転院した病院で貴方のうつ病に効果のある治療を行う時に必要な情報です。
もしも
「転院するの、言いづらいな。。。」
と思ったら、
「引っ越しをするので病院を変わりたいのですが、まだ引っ越し先での病院についてまだきちんと情報収集していないので、どこの病院にするかは決めていません。」
という言い方があるので、こういうったのをあらかじめ用意しておくと転院を言いやすいかもしれません。
4.社会復帰、職場復帰に向けて
会社で働いている人がうつ病になったら、まずはしっかり治療を受け必要であれば休養もとりましょう。そしてその後に「社会復帰」、「職場復帰」となります。
4-1.まずは焦らない
社会人でうつ病になったら、多くの場合は「休職して治療」という事になるでしょう。この時、くれぐれも
「早く治さないと」
と思ったり、
「もう大丈夫」
と治療や休職を十分にしないで会社や職場に焦って復帰するのは、返ってうつ病を悪化させてしまって
「再度の休職」または「退職」
を余儀なくされる結果となります。
だから、会社復帰・職場復帰を目指すのであれば『焦りは禁物』です。うつ病というのは誰もがかかる病なので、ここは焦らずに
「しっかり治療、休養して、会社や職場に復帰した後に出来るだけ症状が出ないようにしよう。そして完治を目指そう!」
と考えましょう。
4-2.リワークプログラムの利用
会社復帰、職場復帰を目指す時に、いきなり会社で仕事をするのではなく
『リワークプログラム』
を利用してから復帰した方が、復帰後にうつ病が悪化する事が少なく、またスムーズな復帰が出来るようになります。
リワークプログラムというのは
- カウンセリングによる認知療法
- うつ病についての基礎知識
- グループ行動によるコミュニケーション療法
といったのを行って、復帰後のうつ病の再発や周りの人とのコミュニケーションの取り方というのを学んでいきます。リワークプログラムは精神科や心療内科といった医療機関や住んでいる地区の障害者福祉センターといった所で行われています。
もしもこれを受けてみたいと思ったら主治医に相談したり、お住まいの地区の福祉センターなどに問い合わせてみましょう。
また最近、会社によっては専門のリワークプログラムチームを作って、うつ病で休職中の社員本人・治療を担当している主治医と連携して、よりスムーズに職場復帰出来るようその人専用のリワークプログラムを作成し、うつ病の再発や退職といったのを防ごうという動きも増えています。
4-3.規則正しい生活
うつ病になったら、
- 家や部屋の中に引きこもる
- 昼夜逆転の生活になる
- 体力の低下
というのがよくあります。こうした状況で会社や職場復帰すると、体力的にも精神的にも疲れます。そうするとストレスやイライラを感じやすくなりるので、せっかくのうつ病の治療の効果が半減したり、回復できないという可能性が高くなってきます。
だから会社復帰や職場復帰が決まったら、
- 出勤する時間に合わせて起き、夜は翌日に影響が出ない時間に寝る
- バスや電車に慣れる
- 体力回復を兼ねたウォーキングやストレッチをする
というのを行って、会社そして職場復帰に備えましょう。
4-4.治療と投薬を忘れずに
うつ病になって治療の為の休職を経て、会社や職場復帰が出来たとしてもそこで
「うつ病の治療は終わり」
という事はまずありません。通常そのまま継続して治療や投薬を行っていきますが、
「(会社や職場に)復帰できたから」 「最近、症状が出ないから」
と自己判断で治療や投薬を止めると、せっかく復帰出来るまでに回復できたのを再発や悪化という形でダメにしてしまいます。
会社や職場に復帰出来たからと治療や投薬を止めるのではなく、復帰後もきちんと治療や投薬を続けましょう。その為には復帰する際に、職場の上司や人事や労務担当者に病院へ通院する時間を取れるよう相談しましょう。
まとめ
うつ病は性格的や考え方から「なりやすい人」というのはいますが、それは男女を問いませんし、老いも若きもというのも関係ないので
「誰にでもなる可能性がある病」
です。そして一言でうつ病といってもタイプには色々ありますし、症状によっては十人十色です。だからもしも
『うつ病になったら』
『もしかして、うつ病?』
と思ったら、まずは自分の症状がうつ病によるものか?というのをチェックしてみましょう。そして、その可能性が高い場合は慌てずに、精神科や心療内科での診察や治療を受けましょう。そして必要であれば休養や休職をして、会社や職場復帰を目指していきましょう。
うつ病は早期に治療をスタートさせれば、期間も短くて済みますし回復率も高いです。だから、症状を我慢したりせずに、早めに治療しましょう。そうすれば完治も可能です。最後に
『うつ病になったら。。。』
と思った時に、ここが「どうしたらいいのか?」という事についての参考になってくれたら、幸いです。
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