うつ病で休職していた人が治療の効果があって
「リワーク(復職)できる」
となった時、会社の対応だけでなく
『自分自身でリワーク出来る状態を作る』
というのもリワークそしてその後の通常勤務にするまでの大切なカギであり、重要なポイントともいえます。けど実際には
「どういった事をすれば。。。」
となるでしょうし、リワークと聞くと
「会社が準備するのがメイン」
と思われがちです。しかし主役となるのはうつ病で休職してリワークする
『うつ病休職者本人』
です。
主役の準備がしっかり整っていなければ、会社が万全と思えるリワーク態勢を作ったとしてもその態勢は上手く機能しないでしょうし、仮に本人のうつ病が再発すれば「The end」となるでしょう。リワークはうつ病休職者本人そして会社双方の準備がきちんと整って始めて上手くいくといえます。
ただ会社側のリワークについての情報というのは多いのですが、うつ病休職者側のについては会社側程多くないようです。そこで
『自分自身をリワーク出来るようにするには?』
というので「知っておくと役立つ」かもしれない5つのポイントについてお話していきます。
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目次
- 主治医に「リワークしても大丈夫ですよ。」と言われたら
- 生活リズムを見直そう その1:「起きる時間を一定にした早寝早起き」
- 生活リズムを見直そう その2:「起きれるようになったら、次は3~4時間寝ないようにする」
- 2時間ずつのウォーキングとデスクワークでより実践的なリワーク対策を。
- リワークプログラムを受講を考えてみる
- うつ病は決して完治しているワケではないというのを心がける
1.主治医に「リワークしても大丈夫ですよ。」と言われたら
辛いうつ病の治療を乗り越えて、主治医から
「リワークしても大丈夫ですよ。」
と言われたら、
「やっと職場復帰出来る。直ぐに会社へ連絡してバリバリ働かないと!」
と思うのはちょっと待ってください。こう思う気持ちは分かりますがまだ時期尚早といえますし、いきなり最初からフルタイムの出勤をしても、またうつ病を再発してしまう危険性がかなり高い。。。いえ、
「間違いなく再発する」
と言ってもいいかもしれません。だから主治医からリワークOKの許可が出ても
「よしっ!今までの遅れを取り戻さないと!」
と意気込むよりも
「まずはうつ病の症状を抱えながら、どこまでリワーク出来るか試してみよう」
という気持ちでいましょう。そして
↓
②会社へリワークOKの診断が出た事を『自分で』連絡する
というステップをふんでください。
ここで②の会社への連絡を『自分で』とあえて目立つようにしたかというと、会社や仕事が原因でうつ病となった人の場合
「会社の存在自体がうつ病の源」
と感じたり、
「会社や仕事について考えただけで、体調やメンタルヘルスが不調になる」
となったりします。だから
『自分で会社へ連絡する』
というのは実はとても勇気が要りますし。逆にもしこれが出来ないのであれば主治医からリワークOKの許可が出ても、実際にリワークするのは難しいでしょう。
2.生活リズムを見直そう その1:起きる時間を一定にした早寝早起き
うつ病の症状というのは人それぞれ十人十色ですが、うつ病で休職している人に多いのが
「引き籠り」
「昼夜逆転の生活」
です。引き籠りは改善されたとして、昼夜逆転生活のままリワークすれば
- 通勤が出来ない
- 昼間にやる気が起きない
- 集中力の低下
となるので
「リワーク出来る1日の過ごし方」=『生活リズムの見直し』
を図っていきましょう。この時に手始めとなるのが
『起きる時間と寝る時間を就業時間に合わせる』
です。
多くのうつ病の人に見られる症状に「眠れない」、「夜中に何度も目が覚める」といった睡眠に関するものがあります。症状の一つだから仕方がないと思う人もいるかもしれませんが、仮に昼夜逆転の生活リズムのまま職場にリワークすれば
- 作業力や集中力の低下
- 成長ホルモンの分泌が少ないので、疲れが取れない
- メラトニンという充足感や満足感を司るホルモンが余り作られないので「達成感」を感じられない
となるので、せっかくリワークしても「いつまで続けられるか?」となってきます。リワークの時の慣らし出勤やリハビリ出勤のように通常の出勤時間と違うかもしれませんが、そんな場合でも定時が9時で支度に30分、通勤に30分かかるなら
「6時半~7時には起きる」
ようにしましょう。そして起きてからずっとパジャマでいるのではなく、出かける用事がなくても着替えて「寝る→起きる」のメカニズムを心も体も感じられるようにしましょう。
この時、特に
『朝起きる時間を一定にする』
のを意識すると体や脳が慣れてきて昼夜逆転の生活が改善されるし、いわゆる「時差ボケ」のような状態からも抜けられます。
だから前の日が寝たのが遅くても、次の日が休みでも昼夜逆転の生活が長かったのであればリワーク準備を兼ねて
『起きる時間を一定にした早寝早起き』
を心がけましょう。
3.生活リズムを見直そう その2:「起きれるようになったら、次は3~4時間寝ないようにする」
リワークの為に生活リズムの改善の第一歩となる早寝早起きが出来るようになったら、次は起きた後についてです。もし起きる時間をAM6:00としていたら、起きてから3~4時間は寝ないように努力しましょう。
この起きてからの3~4時間を寝れずに過ごせたら1日中起きていられますし、午前中だけのリワーク出勤であれば会社で眠気に襲われるのを予防出来るかもしれません。
ただ起きてから3~4時間、何もしないでボーッとしていたら「ついウトウト」となってしまうので
- 体力作りを兼ねて近所に散歩に行く
- 読書をする
- 物作りをしてみる
といったのをして、
『眠気防止とリワークへ向けての集中力アップ』
に繋げていきましょう。ここでのポイントは
「仕事に直結していなくても大丈夫」
です。リワークが出来るようになると、どうしても「直ぐに仕事が出来るように」と考えてしまい、あれこれと仕事の準備に取りかかってしまうかもしれませんが、これはリワークして出来なかった時に返って
「あんなに準備したのに出来なかった」
という新たなストレスを生んでしまい、これがリワーク出来るまで回復したうつ病を悪化させたりします。だからまずはご自分の好きな事や趣味で
『3~4時間、眠らない対策』
をしていきましょう。
4.2時間ずつのウォーキングとデスクワークでより実践的なリワーク対策を。
早寝早起きが出来るようになって、3~4時間くらい起きていられるようになったら今度はより実践的なリワーク対策をしていきましょう。それが
「2時間ずつのウォーキングとデスクワーク」
です。ここで
「デスクワークは分かるけど、何でウォーキング?」
という疑問が出てくるのではないでしょうか?それは
「社内にいるだけでも結構歩いたり、体力を使っているから」
です。
営業や外回りを担当している人であれば体力を使うというのは直ぐに思い浮かびますが、実は社内常駐といえる内勤のスタッフも実は社内でアチコチ移動したり、ちょっとした荷物を持ったり、銀行などへの用事を済ませに行ったりと思っていたよりも歩いたり、体力を使っています。
その為の体力・持久力作りとなるのがウォーキングなのです。しかし、体を動かす機会もですが家に引き籠ってばかりいたうつ病休職者とっては、いきなり2時間ウォーキングするというのは難しいでしょう。だから最初は5分程度から始めて、10分、20分と徐々に量を増やしていきます。
次にデスクワークについてですが、これには職場でのリワークに必要な集中力をアップさせる為に行います。 もし、ご自宅の近くや自分で行ける範囲に
「図書館」
があればここで2時間集中して読書をしてみてください。図書館は少々の音はあってもシーンとしている状況が 会社にいる雰囲気と似ているので、おススメです。
5.リワークプログラムを受講を考えてみる
うつ病休職者のリワークの成功率をアップさせる為に、一つ考えて頂きたいのが
『リワークプログラム』
です。リワークプログラムは精神科や心療内科といった専門病院やこれに該当する診療科がある総合病院、後は精神保健福祉センター、地域障害者職業センターといった所で行われていてうつ病患者でリワークを目指している、またはしている人向けに
- 自分のうつになりやすい考え方のクセを見直す
- グループセッションやゲーム等で、周りとのコミュニケーションの取り方を学ぶ
- うつ病についての正しい知識や薬の管理法について
といったのが行われているので、うつ病休職者がリワークしやすくなるだけでなく、リワーク後に起こりそうなトラブルを防げる効果が期待出来ます。
リワークプログラムを受けていない人と受けている人が1年以上職場で勤務できている割合というのは、受けていない人は2割・受けている人が5割というデータがあるのを考えると、生活リズムが改善されたら、会社で再度のうつ病発症や症状を悪化させない為にリワークプログラムを考えてみるのは
『職場でのリワークをスムーズに行えるようにして、1年以上勤務出来るようにする』
には良い選択肢といえます。
6.うつ病は決して完治しているワケではないというのを心がける
うつ病治療で休職をしていて、主治医から
「職場に復帰しても大丈夫ですよ。」 「リワーク出来るくらいになっているので、リワークしてもOKです。」
と言われた時、これは決して
『うつ病が完治した』
という意味ではありません。だから主治医からこう言われて「うつ病が治った!」と思ってしまうと、リワークして抑うつ症状を感じた時に
「私のうつ病って完治したんじゃないの?」
という思いに捕らわれてしまって、そして「完治してないんだ」という絶望感ともいえる気持ちが、うつ病を悪化させたりします。
うつ病で完治というのはとても難しく、8割程症状が良くなって残り2割程になった時「寛解(かんかい)」と言って、この状態になると主治医はリワークOKの許可を出したり、抗うつ薬等の投薬を減らしたりします。
『うつ病が8割回復したとはいえ、まだ2割のうつ病が残っている』
と思って、
- リワーク時に無理をしない
- 投薬の処方をきちんと守る
- 定期的な診察やカウンセリングを受ける
ようにすると、寛解の状態が長続きするから職場でのリワークがしやすくなるだけでなく、自分の心身の健康を出来るだけ守れるようになります。だから
「リワークOKの許可が出たから、もううつ病が完治したんだ!」
と思わないで
『まだ2割のうつ病は残っているから、この割合を増やさないようにしてリワークしよう』
と心がけた方が職場でのリワークが成功しやすくなったり、「頑張り過ぎる」のにブレーキをかけれるようになります。
リワーク出来るまでに、うつ病が回復したのはそれだけ一生懸命治療をしたからですが、ここは
『うつ病は完治しているワケではない』
というのを「肝に銘じる」という言葉ではありませんが、是非、心がけてくださいね。
まとめ
うつ病の治療の為に休職して、主治医から「リワークしてもOKですよ。」と言われた時というのは
「やっと職場に復帰出来る!」
という嬉しさ反面
「もしもリワークでミスしたら。。。」
という不安もあります。
そんな不安を解消してリワークを成功させて日常勤務に戻れるようにするには生活リズムの見直しや実践的なトレーニングといったのが必要となってきます。もしも、うつ病を患ってしまって会社を休職。その後、リワークOKとなった時に
「自分は何をしたらいいんだろう?」
と思った時に、ここでご紹介した事が参考になれば嬉しいです。
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