うつ病で休職していたけど、今度リワーク(復職)する。
うつ病休職者にとってリワーク出来るのは、完治と同じくらい嬉しい事ではないでしょうか。
しかし、いざリワークしてみると、
「やっぱりダメだった」
となったり、うつ病の症状が悪化して再度休職というケースはかなり多いです。そこには
「リワーク時に気づかない落とし穴」
が関係しているといえます。
この落とし穴にはまらないようにする為の「初歩の初歩」といえる事について、お話していこうかなと思います。
内容としては「難しそう」と感じるかもしれませんが、初歩の初歩ですからそう難しいものはありませんし、出来る範囲なものを紹介していますので、どうぞ
「こんな事に気をつけておいたらいいんだな」
と頭のどこかにちょっと入れておくような感じで読んでくださいね。
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1.まずはリワークに向けての生活リズムの整えましょう。
うつ病休職者がリワークした時の一番最初の落とし穴といえるのが
『休職前とリワーク後の生活リズムの変化』
です。
うつ病を患うとどうしても家に引き籠ってしまったり、夜眠れなくて昼間寝ているという「昼夜逆転」な生活になっている方も多いです。この昼夜逆転のまま、うつ病の症状が落ち着いてリワーク出来るようになって「さぁ、会社へ!」と出社しても、生活リズムは休職中のままですから
「スムーズにリワークが出来るか?」
と言われれば、
「失敗する確率は高い」
という答えになるでしょう。
特に薬の副作用もあるかもしれませんが、昼間に強い眠気がくるという場合はこの部分を改善しておかないと、リワークの第一段階の慣らし出勤やリハビリ出社の時点で失敗となる可能性は高いです。
こういった理由から、うつ病の症状がまだ重い時はリワークの事は考えずに病の改善や治す事に専念して、リワークOKの許可が主治医から出たら
- リワークの出社時間に間に合うように毎朝決まった時間に起床・就寝する
から始めて、慣れてきたら
- 近所を散歩する、可能であれば無理のない範囲でスポーツをして通勤・リワークに向けての体力作り
等を行って、それまでの休職モードから
『リワークモード』
に生活リズムを少しずつシフトしていきましょう。
2.リワークトレーニングで、実際のリワークでパニックになるのを防ぐ
うつ病休職者がリワークした時の次の落とし穴は
『職場で自分が何も出来ない』
と感じる事です。例えばですが、リワーク中に簡単なデータ入力や郵便物の発送といった仕事を頼まれた時に、ミスをしてしまったり出来なかったりすると
↓
自分はダメな人間なんだ
↓
もしかしたらリワークが中止されて、会社を解雇させられるんじゃないだろうか
という不安やストレスが心の中に生まれてしまい、そこからリワーク出来るまで回復したうつ病の状態が悪くってしまうケースが少なくありません。
これを防ぐには『リワークトレーニング』をするのが効果的といわれています。具体的に何をするかというと、
- 会社と似たような環境の図書館等で読書をする
- パソコンが自宅にあるなら、新聞のコラムや雑誌の一記事を入力してみる
といったのです。これらは「集中力、作業力の低下」といううつ病の症状の改善にも繋がりますし、実際会社でリワークした時の「出来なかった」という不安感やパニックになるのを防いでくれる役割もあります。但し、これについては
『無理をしない』
というのを必ず守ってください。
そして「こうしないと」、「ここまでしよう」というノルマ的な考えも禁物です。もし無理をしたり、ノルマ的な考えがあったりすると、今度はそこに自分を合わせようとしてこれもストレスを生じる事になるので、このリワークトレーニングについては最初は
「今日は調子がいいな」
「ちょっと読書でもしてみようかな」
と思った時に5分や10分といった短時間から始めて、そこから少しずつ時間を増やしていきましょう。
ちなみにこのリワークトレーニングを作業療法士や心理カウンセラーといった専門家の許で行う
『リワークプログラム』
というのがありますがこれは「通所」が基本となっているので、まずは
『自分一人で行えるリワークトレーニング』
を行ってみてから、リワークプログラムへの参加を考えるのが良いと思います。
3.会社のリワーク担当者と打ち合わせしやすくする為にに「自分説明書」を作ってみませんか?
これはリワーク後というよりもリワーク直前から始まっているといえる落とし穴といえるのですが、主治医からリワークOKの許可が出て、会社へ「リワークを希望したいのですが。」と連絡した後に勤務内容や日数といったのを決める打ち合わせが行われるのが常です。
この打ち合わせの時、会社の担当者から
- うつ病の症状の回復具合について
- リワーク時に気をつけておいた方がいい事
- リワーク後の通院や治療について
といったのを尋ねられます。これは会社としては確認事項でもあり、今後のリワークをどういう風に進めていくかについて、とても重要です。そして「リワークのあり方」という意味では、この質問の答えが
『その後のリワークを大きく左右』
します。
リワークについての打ち合わせをする前に、主治医からの診断書を提出しているでしょうから、もしも
「診断書の通りです。」
と答えてしまったら、どうなるでしょう?
会社の担当者は医師ではありませんし、うつ病の専門家でもありません。だから診断書の通りと答えられてしまえば、
「診断書では復職OKになっている。という事はうつ病は『完治』しているんだろうから、休職前の勤務状態で問題ないな」
と判断されて、リワーク後直ぐにフルタイム勤務となってもおかしくありません。(これは少しオーバーな形ですが。。。)
そしてこうした打ち合わせのような「人と話す」という状況は、うつ病で休職していたリワーク者にとっては
- 上手く話せるだろうか?
- こんな事を言っていいのだろうか?
という不安が出てきます。うつ病休職者と会社側、双方がきちんとうつ病という病と休職者のリワーク時の状況が把握できていないと、リワーク成功には結びつかないでしょう。
そこで
『自分説明書』
を作って、リワークの打ち合わせの席に臨むというのは如何でしょうか?
この自分説明書は、リワークの打ち合わせで会社側から質問があるだろう事柄に対して「こう答えよう」というのと、「ここは気をつけて欲しい」、「リワーク後の通院治療があるから、毎週火曜日は通院出来るようにして欲しい」という要望を書き出していきます。だから
「リワーク打ち合わせのQ&A集」
といった感じとすると分かりやすいかもしれません。
イメージしやすいように自分説明書という名前にしましたが、これは何もレポートにしたり、パソコンで文書にしたりという必要はありません。あくまでも
『今後のリワークがスムーズに、そして成功出来るように知っておいて欲しい事、言いたい事』
を会社側との打ち合わせで言いやすくする為のものなので、メモ書きでも箇条書きでも構いません。
これがあるとないとではその後のリワークの状況も変わってくるかもしれないので、もしも『可能』であれば作成してみるのをおススメします。
ただしこれも『可能であれば』です。この自分説明書を作るのは作業力・集中力が必要となるし、中には
「もしかして、こんなんじゃリワーク出来ないと言われるのでは」
という不安に駆られる人もいるかもしれません。
リワークが出来る状態になったとはいえ、うつ病が「完治」したというワケではなく寛解(かんかい)といって8割方症状が治まっているだけです。逆な言い方をすれば「まだ2割は症状が残っている」という状態なので、この2割が3割、4割と割合が多くなれば
『リワーク不可能』
となる危険性が出てきます。だから作るなら
『焦らず、気負わず、無理せず』
というのを心がけてくださいね。
うつ病を患った時というのは「どうして自分が」と自問自答を繰り返します。そして治療をしていく上でも「治らないのではないか?」という不安に何度も襲われるのは、「言わずもがな」でしょう。しかしそんな状態から、リワークが出来るまで回復出来たというのは
「貴方の前向きな治療への態度と努力の結果」
なので、私はリワーク前のこの時点でも「とてもすごい事だ」ですし、そこまでこれた自分を「よくやった!」と手離しで褒めても良いと思います。そして褒めた後で
「これからのリワークに備えて」
出来る事を一つずつこなしていくのが、リワークを確実なものにしていける効果は高いので、今回は主治医からOKが出てから一人で行いやすいリワーク準備に的を絞りました。
最後にもう一度言いますが、
『うつ病に焦り・不安・無理は禁物』
です。
リワーク出来るまで回復したなら、まず出来る事から1つずつゆっくりとトレーニングして、リワーク後の落とし穴にはまらない、逆に埋められるくらいの準備をして最終目標ともいえる「通常勤務」まで歩んでいけるようにしましょう。
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