うつ病は
- ~すべきだ
- 「自分がダメな人間だ」と強く思い込んでしまう
- 自分が関わっていなくても「自分が悪い」と思う
等の「なりやすい人」というのはありますが、『老若男女』は問いません。
ですから患者層も小学校1年生くらいの幼い子供から、高齢者といわれる年代まで幅が広くです。
この幅広い層の中で『高齢者のうつ病』というのは
「認知症と誤解されやすく、なかなか発見できずに症状が進行してしまう」
という特徴があります。そこで、
- 高齢者うつ病と認知症を見分けるには?
- 高齢者うつ病の当事者が受診を嫌がる時はどうしたらいいの?
といったのについて、これからお話していきます。
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目次
- 高齢者のうつ病を発見しづらくする「認知症」
- 私達が高齢者うつ病と認知症を見分けるポイントは?
- 高齢者うつ病の早期発見には「医師の診断」が大切
- 病院へ行くのを嫌がる時の対処法
- 目次4の対処法を実際に使った体験談
1.高齢者のうつ病を発見しづらくする「認知症」
高齢者のうつ病は、どうして発見しづらいのでしょうか?
その一番の理由といえるのが、
『認知症』
です。認知症にはその症状に
- 探し物をする事が増える
- 今まで問題なく出来ていた事が出来なくなった
- 趣味や好きな事をしなくなる
- 家の中に引きこもる事が多くなる
- 眠れない
といったのがあるのですが、これは
『うつ病にも共通した症状』
となっています。
高齢者という年代でなければ、こうした症状が出た時に直ぐに「うつ病」を疑いますが、高齢者うつ病の場合、どうしても「高齢」という先入観から、高齢者うつ病よりも認知症を疑ってしまいます。
そして、これらの似通った症状は
「認知症と思っていたら、高齢者うつ病だった」
「高齢者うつ病だと思ったら、認知症だった」
というケースは多くみられ、実は医師でも診断が難しいとされています。
ただこうしたケースの話を聞くと
「けど、それって判断ミスなのでは?」
と思うかもしれませんが、症状が似通っている分
『高齢者うつ病と認知症は紙一重』
といえるのかもしれません。
2. 私達が高齢者うつ病と認知症を見分けるポイントは?
医師でも判断が難しい高齢者うつ病と認知症を、私達が見分けるというのは「無理がある」と言えるかもしれませんが、
「どちらだろう?」
と思った時に見分けるポイントを知っておくと、「認知症だな」と思い込まずに済むかもしれません。
そうしたポイントに一体どういったのがあるかというと、最初のポイントは
『何かを訴える型か無気力型か?』
です。高齢者うつ病の場合、
「ここが痛い、あそこが痛い」
「~が原因で辛い」
「話す相手がいなくて、寂しい」
というように
『自分の痛み・悲しみ・辛さ』
といったのをよく訴えます。これに対して、認知症の中でも患者数が多いアルツハイマー型の場合は
「気力が薄く、無気力感が強い」
という特徴があります。
ちょっとした見分け方ではありますが普段接している人であれば、この違いに気づきやすいでしょうから、
『高齢者うつ病か、認知症かを見分ける最初のポイント』
として知っておくといいでしょう。
次のポイントは
『家族や身近な人の死』
です。例えば、長年連れ添ってきたご主人や奥様を亡くされたりすると喪失感だけではなく、
- 奥様の場合は、ご主人の代わりに家長に
- ご主人の場合は、奥様の代わりに家事を
といった「立場の大きな変化」が起こりします。
喪失感だけでも心身的には大きな負担となりますが、こうした立場の大きな変化というのも、心には大きなストレスとなりますので、ここから高齢者うつ病を発症する場合があります。
身近な人が亡くなったという高齢者が近くにいて、仮に本人が「大丈夫。」と言っていても、周りに迷惑をかけたくないという思いから、「大丈夫なフリ」をしているとも考えられますから、こういった時は気をつけて様子をみてください。
そして、機会があれば時々連絡をしたり、家に出向いて話を聞いてあげたりすると、高齢者うつ病になっている可能性に気づけるかもしれません。
また、過去にうつ病を患った経験がある人は既に完治していても、高齢者となり先程の家族の死や立場または環境の変化といったのから、うつ病を「再発」する可能性が高いのでこうした場合も注意が必要です。
3.高齢者うつ病の早期発見には「医師の診断」が大切
医師でも判断が難しいという高齢者うつ病と認知症ですが、2つは病名が違うだけでなく、治療法も勿論ですが全く異なります。ですから、やはり
『高齢者うつ病の早期発見には、医師の診断が大切』
です。しかし、もしも高齢者うつ病の症状があらわれた時や認知症と見分けがつきにくい場合、
「果たして、どこに診せたらいいのだろう?」
となるでしょう。そんな時は、まず
『高齢者うつ病かもしれない当事者に、かかりつけ医がいるか?』
というのを調べてみてください。
そして、かかりつけ医があるようでしたらそちらを受診・相談してみてください。かかりつけ医が高齢者うつ病の専門医な事は少ないですし、直ぐに高齢者うつ病なのか認知症なのかの診断が出ないかもしれませんが、もしも高齢者うつ病であれば、専門医を紹介してくれるでしょう。
そして専門医を紹介する場合は医師は必ず
「紹介状」
を作成してくれます。
紹介状には患者さんの既往歴から処方した薬等の情報が詳細に書かれていますから、いきなりうつ病の専門医を訪れて受診するよりも情報量が多い分、より正確な診断をしてもらいやすくなります。
ここで、もしかかりつけ医がいない場合は市の福祉課に
「高齢者うつ病か、認知症かどちらか分からないのですがどうしたいいのでしょうか?。」
と問い合わせてみてください。そうすると福祉課の方で病院を紹介してくれたり、認知症の可能性が高いような場合は介護保険制度を利用できるように、要介護認定を判断するスタッフを派遣してくれます。
4.病院へ行くのを嫌がる時の対処法
高齢者うつ病でも、認知症でも病院を受診したいけど、当事者が
「私は、うつ病じゃない!。」
「私は、認知症じゃない!。」
と突っぱねて行きたがらないという話は多く聞きます。
ここで「じゃあ、いいわ。」と断念してしまうと、間違いなく症状は進行していきますから、後々大変な事となってしまうのは間違いありません。
そこで『病院へ行くのを嫌がる当事者への対処法』
というのを3つ紹介してみたいと思います。
対処法その1:「定期健診」として伝えてみる
かかりつけの病院以外を受診するというのは、高齢者にとっては意外とストレスや疲労感を感じやすいそうです。これは慣れてないというのと、緊張してしまうから等の理由からですが、それに付け加えて周りから促されてというので、
「私は何ともないのに」
という納得していない気持ちがある場合もあります。こうした時は例えばですが、
「おばあちゃん。今、70歳だよね?この前、役所の保険課の人から、今年から70歳以上の人は高齢者うつ病の定期検診を受けてくださいって連絡があったんだけど、おばあちゃん70歳だから健診受けないといけないんじゃない?私、一緒に行こうか?。」
と、高齢者うつ病の受診を
『定期健診』
として話してみてください。これだと当事者が
「定期健診なら、行かないとね。」
と思うので、受診までスムーズにいきやすくなる効果があります。
対処法その2:「ちょっと着いて来て。」と付き添いをお願いする
次の対処法は、
「あのね、今、高齢者のうつ病が増えているんだって。それで私、知識として知っておきたいから、ちょっと話を聞きに行きたいんだけど、おじいちゃん、一緒に着いて来てくれないかな?。実践形式の話の時に、おじいちゃんがいてくれると助かるんだけど。」
と
『付き添い』
をお願いしてみるパターンです。
本来は高齢者うつ病の疑いがある当事者が主役ですが、この場合はあえてその当事者を「付き添い」という脇役にする事で、
「付き添いなら、行ってもいいか」
となりやすいので、警戒心や緊張感を減らしつつ受診してもらいやすくなります。
対処法その3:お孫さんや親しい人に協力してもらう
3つ目の対処法は、お孫さんや周囲の人の協力が必要となりますが、もし協力してもらえるのであれば、お孫さんなら
「おばあちゃん。あのね最近、何だか元気がないみたいなんだけど、もしかしてどこか体調でも悪いの?私、おばあちゃんには、まだまだ元気でいて欲しいから、今度お母さんと病院行って様子を診てもらったら、どうかな?病院っていっても検査とかじゃなくて、話をするだけみたいだよ。」
と言ってもらったり、ご親戚やご近所で仲の良い方がいる場合なら
「ねえ、この前、私、どこが悪いってワケじゃないけど、何だか気分が晴れないし、体調も優れない時があって辛かったから、そういったモヤモヤの話を聞いてくれる先生の所に行ったの。そうしたら、先生がゆっくり話を聞いてくれて、こうした方が良いですよっていうアドバイスくれたから、今は調子が良いの。」
と話してもらってみてください。
ご経験がある方もいるかもしれませんが、
「家族に言われるよりも、周りの人に言われた方が素直にそう思える」
という事ありませんか?そうした事をちょっと応用して、高齢者うつ病かもしれない人に
「孫が言ってるなら」
「あの人が言ってるなら」
という気持ちになってもらい、そこから「行ってみようかな」と考えを引き出させる方法がこれです。
この3つの対処法はどれも「嘘も方便」とも捉えられるものですし、3つ目については周りの人の協力も必要になるので、ちょっと大がかりといえるかもしれません。しかし、こうした時の嘘というのは方便として神様も見逃してくれるでしょうし、
「高齢者うつ病の早期発見には必要な方法」
ではないかなと思います。
5.目次4の対処法を実際に使った体験談
最後に、目次4の高齢者うつ病かもしれない当事者をスムーズに受診させる対処法を使った一例を、私の実体験に基づいてお話します。
私の祖母が高齢者うつ病になったのは祖父が亡くなったのが原因でしたが、高齢者うつ病を患う前から大の病院嫌いだったので「病院へ行こう。」と言えば
「嫌。絶対行かない!私はどこも悪くない!。」
の一点張りでしたし、その日一日中機嫌が悪かったです。
しかし、段々とふさぎ込んだり、眠れない、食欲がない、「おじいさんがいなくて寂しい。」と口にする事が増えてきました。
それで、両親は
「専門医の受診してもらって、せめて高齢者うつ病か認知症か分かれば」
と考えるようになったのですが、祖母に面と向かって「病院へ~」と言えば嫌がるのは明らかです。
そこで、当時学生だった私が
「おばあちゃん。私、〇〇病院のA先生に、宿題のレポートを書く為の話を聞きに行くんだけど、高齢者の健康についての話なんだよね。それで、おばあちゃんが居た方が色々聞きやすいから、一緒に来てくれない?。」
と付き添いを頼んで、何度か一緒に行って高齢者うつ病の専門医を受診させた事がありました。
専門医を受診するようになってからは比較的きちんと、高齢者うつ病の治療をしていたのですが、時には
「病院、行きたくない。」
と半ばダダをこねる様な態度を取って、病院へ行くのを嫌がる事もありました。
そんな時は一旦
「じゃあ、今日はお休みしましょうね。」
と、受診するのを見送って、2,3日してから
「おばあちゃん。さっき、A先生から、おばあちゃんの最近お元気ですか?って連絡があったんだけど、明日、A先生の所に、元気な様子を見せに行かない?帰りはお父さんが迎えに来てくれるから、何か美味しいもの食べて帰ろう。」
という「父と母の合わせ技」というのを使って、受診させたりもしました。どちらの方法も、祖母は
「Kちゃん(=私)の頼みならいいよ。」
「そうだね。それなら会いに行ってみようか?。」
という感じで、自分が主役とは思っていなかったみたいなので、診察室に入れば割と診察を受けていました。
ただ診察については祖母を担当してくださった先生が、我が家の事情や祖母の性格を分かってくださって、付き添いがてらといった感じや「お元気でした?。」と世間話をしながら診察を行ってくれたので、ある意味
「先生の技」
に助けられた部分が大きいと思います。
けど、診察を受ける為には病院へ行く必要がありますから、この部分については経験上
「家族の技」
が、カギとなってくると感じています。
そんなカギを上手く使う為に、ここで紹介した対処法や私の体験談が少しでも参考になってくれたらと思います。
まとめ
高齢者という「冠」みたいなのがついて、ふさぎがちになったり、探し物が増えると
「認知症かも」
となるのは当然かもしれません。
しかし、その高齢者という冠や「認知症かも」という思い込みが、実は
『高齢者うつ病の発見を遅くしてしまう』
可能性は十分にあります。
そんな冠や「高齢者=認知症」という思い込みを減らして、ちょっと注意深く様子をみていると、高齢者うつ病に、早く気づける効果は高いです。
認知症は進行を遅くする事は出来ても完治となる事はまずないそうです。しかし、
『高齢者うつ病は早期発見できれば、完治させる事が可能』
といわれています。
だから、もしも「認知症かな?」と思ったら、同時に高齢者うつ病についても疑ってみてください。そうする事で
『認知症と思い込んでしまった為に、見えなくなっていた高齢者うつ病』
を、早い段階で見つけられると思います。
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