YSこころのクリニックスタッフブログ

現代のうつ病事情を読み解く!東京都江東区門前中町の心療内科・精神科「YSこころのクリニック」がうつ病に関する様々な情報をお届けします。

心配を捨てる!

皆様こんにちは。 YSこころのクリニックの加藤です。 佐藤先生の捨てる生き方より紹介させていただきたいと思います。

「心配を捨てる!」 生き方を辛くし、人生を暗くしている大きな要素は、不安と心配です。 不安心配症の人は少なくありません。 本来、人生は明るく、楽しく、元気に過ごせるものなのに、これらの感情にとらわれることで台無しにされているのです。  では、どうしたらいいでしょうか。  不安も心配も捨ててしまえばいいのです。  「そんなことできない。不安や心配のタネはつきないから」 こういう人は不安、心配の正体を知らないのです。

不安も心配も実体などありません。 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と言います。 幽霊に出会って恐れおののいたが、よくよく見れば何のことはない、枯れたすすきだったというオチです。 悩みや不安も、極論すれば妄想です。 たとえば、最近仕事で失敗続きだったとします。 もしかしたら、自分はリストラ候補になっているのではないかと考え始めます。 「もしかしたらクビになるかも…」と考えるのが不安や心配です。 あるいは現在貯えがない。 もうすぐ定年である。老後の生活はどうしようと悩む。 「もし年金が減額されたらどうしよう」 これも不安や、心配のタネです。 不安や心配はすべて憶測の世界です。すべて「〜たら」「〜れば」の話しです。 みんな仮定や憶測で暗い気持ちになっているのです。そんな架空の話で暗くなる必要はないのです。 どうしても不安や心配をぬぐえなければ、初めから最悪の事態を想定して受け入れてしまうのも手です。「最悪こうなっても、仕方ない」と思うのです。 そうすれば心配しているほとんどのことは、実は大したことではないと感じられるはずです。

 私も20年以上前、ある瞬間から不安という見えないものに襲われ、すべての公共の乗り物、1人での外出が出来なくなり、安心できるはずの家の中でも常に心は不安しかありませんでした。 不安で不安で、ソワソワして、気持ちが落ち着かない状態が10年以上続いてました。  1人で外出できない、公共の乗り物なんてとんでもないと思っていましたが、どうしても1人で電車に乗り、出かけないといけないという事態が起きました。  私は常に荷物はいっぱいでした。 乗り物に乗る時は気を紛らわせるもの、本、音楽が聴ける機器、気持ちを落ち着けるための飲料水…。 身軽に出かける事ができませんでした。  その日、私が行動しなれば私は一生後悔するだろうという強い思いがあったため、何年も1人で乗れなかった電車に乗り込みました。常に心臓はバクバクです。頭のなかは見えない不安で「どうしよう、何か起きたらどうしよう…」その思いばかりでした。  周りの乗車しているお客様を見ては、普通に乗れていいなぁと…羨んだりしてました。が、今考えれば私みたいな気持ちで乗車している方もいたと思います。  私の中で不安と向き合いすぎて、不安が不安を呼んできていました。何も起きていないのに、勝手な私の妄想から自分自身を自分自身で苦しめていました。   車内で「もう何か起きたら、それならそれでいい」と不安を手放す努力をしました。  するとだんだんと気持ちが落ち着いてきて、不安が少しずつ自分の中から薄らいでいくのがわかりました。その日をキッカケに私は長年乗る事ができなかった公共の乗り物に乗る事ができるようになりました。  自分で自分を不安にしているのだということを気付かされた瞬間でした。

今でも、時々乗り物に乗ってて不安になったりします。 しかし、そんな時は「何か起きたら起きたで良い」と思えるようになってからはとても気持ちが楽になりました。

あの日、自分を奮い立たせ電車に乗り込んで本当に良かったと思っています。それと同時に電車に乗らなければいけない状況を作ってくれた人達に感謝の気持ちでいっぱいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。