YSこころのクリニック、カウンセラー金田です。
今回は、 佐藤康行先生の「社長!二代目の仕事は魂の継承だ」より 「第1章 継承は駅伝と同じだ」より 【目に見えないものの大切さ】をお送りいたします。 …………………………………………………………………………… 【目に見えないものの大切さ】 先代から何を引き継いでいるかを知る―
あなたは、物事を脳内で考えて生きています。 しかし、その脳をつくったのは人間ではありません。
いつの日か、人間は自分の脳で考えたことが最も大切で、偉大なことだと 勘違いするようになりました。
もちろん大事なことですが、では「脳をつくったのは誰なのか」 「そもそも人間をつくったのは誰なのか」という根本を知った上で、 脳で考えることが必要ではないでしょうか。
仮に、脳内で考えることを中心に動いてしまうと、どのような結果に なるでしょうか。 事業を引き継いだ例で見てみましょう。
【事業継承した2人の例】
今、先代から事業を引き継いだ2人の後継者がいるとします。
一方の方が引き継いだのは、充分な利益の出る会社、従業員、お得意様、 売れる商品、社長というポストで、2代目の御曹司として、世間からも羨望の 眼差しで見られています。
業種としての社会的ニーズもまだまだ大きなものがあり、スタート時点から 「安泰」と言う言葉が浮かび上がる環境です。
他方の人が引き継いだのは、銀行からの多額の借金、時代遅れと言われる業種で、 規模の小さな、自転車操業の会社です。
今月の資金繰りに頭を悩ませながらも、新商品を開発していかなければ、顧客が いなくなってしまうという状況です。
一体、この局面をどう切り抜けようか頭を悩ます日々が続いています。
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さて、この2者を比較して、あなたはどちらの後継者が良いと思われますか。 多くの方が、前者を選ぶと思いますが、本当にそうでしょうか。
前者は何事も順調に進んでいるように見えるかもしれません。
しかし、2代目が社長になっても、先代がうるさく口を挟んできて、 社長はどちらなのか分からないといった状況だとしたらどうですか。
あるいは、先代は事業を拡大しましたが、2代目の幼少時から自宅にはほとんど おらず、父親としての温かみを感じたことがなくて、内心では恨んでいる状態だ としたらどうでしょう。
もしくは、2代目は、会社を継承するより、他にもっと自分に適した道を歩む ことを望んでいるのに、周囲の環境が許さなかったという状況だったらどうですか。
十分な資産を残した先代からすれば、「これだけ財産を残したのに、何が不満 なんだ」という思いがあり、一方の後継者は、「財産なんかはいらないから自分の 事を理解してくれ」という不満があるかもしれません。
本人が継ぎたくない会社を我慢して継ぐことが、真の継承と言えるでしょうか。 双方にとって、それが幸せと言えるでしょうか。
私たちは、目に見える表面的なものだけで、基準を作り、判断をしてしまう癖が あります。
世の中には、「継承がうまくいかずに悩んでいる企業が大半」というデータが あります。
それは、表面に見えるものだけで判断してしまって、「ものを引き継ぐこと」を 「継承」と捉えてしまっているのも大きな一因です。
大事なことは、目に見えないものです。
先代から受け継いでいるものは何かということを、今一度、しっかり見極めることが 肝要です。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!