YSこころのクリニックスタッフブログ

現代のうつ病事情を読み解く!東京都江東区門前中町の心療内科・精神科「YSこころのクリニック」がうつ病に関する様々な情報をお届けします。

世界でただ一つ、この瞬間を大事にする

YSこころのクリニック、カウンセラー金田です。 今回は、 佐藤康行先生の「社長!二代目の仕事は魂の継承だ」より 「第2章 本当に価値のあるものを発見せよ」より 【世界でただ一つ、この瞬間を大事にする】をお送りいたします。 …………………………………………………………………………… 【世界でただ一つ、この瞬間を大事にする】  固定化した「こうだ」という心の写真を手放すー ~今までの学問的な捉え方から脱皮する~

物事は様々な側面から捉えることができます。 似たような場面に遭遇しても、関わる人や状況や、その人の考え、行動によって、 現れる事象が違ってきます。

借金の事例

たとえば、親が事業で残した多額の借金を引き継ぐことになったAさんとBさん がいるとします。

Aさんは、「まったく私にこんな負債を残して」親を恨んでも恨みきれない気持ちで 毎日うつうつと暮らしています。

そんな心でいれば、人相も悪いでしょうし、誰かと口をきけば出てくるのは 文句ばかりで、人も離れていってしまいます。

ところがBさんは、「自分の親が残した借金だ。世間様に申し訳が立たない、 自分が一生懸命返済しよう」という思いで、毎日精力的に頭を下げながら お得意様回りをします。 そんな姿をお客様が見たら、自然と応援しようと言う気持ちになるでしょう。

このように、同じ状況が訪れても捉え方を変えることで行動が変わり、 起こる現象が変わっていくのです。

人は、何か問題が発生すると、「こんなものを押し付けた先代が悪い」 「こんなふうに育てた親が悪い」というように外に原因を求めます。

しかし、本当の原因は、自分の内にあるのです。

私たちの脳は、何かを捕らえて、「こうだ」と固定化してしまう癖があります。

例えると、「あの出来事はこうなのだ」と思った心をパシャリと写真を撮る ようにして覚え込んでしまうようなものです。

「うちの父母はこんなに私のことを叱って、全然愛してくれなかった」と 両親に対して思い込んだ心を、パシャリと写真を撮るように覚え込んで、 何十年でも心の中に持ち続けるのです。

そう捉えた心は、その瞬間にすでに変わっているのに、変化した心を見ないで、 写真の方を大事に抱えたまま、「愛されていなかった」と定義付けてしまっている 可能性があるのです。

一つの出来事だけを抜き出して、さらにその一面だけを見て、「これはこういうこと なのだ」と固定化してしまうのです。

その後、自分の心は常に変化しているのに、その変化を見ようとしない場合が 多いのです。

もしかすると、叱られた理由は、このままでは将来間違った道を行くかもしれない という親の愛だったのかもしれません。

しかし、一度定義付けをしてしまうと、なかなかそれから抜け出せないでいる 場合が多いのです。

心は秒単位で変化していきます。

アッ!とそこを指差した瞬間に先ほどの心はもうありません。

今、この本を読んでいるあなたの心も、刻々と変化しているはずです。

ところが、私たちの概念では、「ここにいなきゃ駄目だ」と一度固定化したものに しがみついてしまう癖があります。

自分の写した写真と違えば、不安、恐怖、怒りが出てきてしまうという 脳の捉え方になっているのです。

一度つかんだものは、なかなか手放すことができません。

しかし、その写真を手放した瞬間から、出来事の捉え方は変わるのです。

初対面の人でも、過去に似たような人に会った経験上から、「この人はどんな人だろう」 と勝手に決めつけてしまう場合があります。

そう思った瞬間に間違いなのに、自分の中にある価値観で物事を捉える癖が、 従来の学問的な捉え方です。

同じような場面でも、今この瞬間、この場面、この状況は、世界でたった一つであり、 過去はどこにもありません。

だから、この場で最も適切な対処をすることが必要です。

私はセミナーを開催していますが、大枠のタイムテーブルは作っても、何を話すか 何をするかは当日にならないと分かりません。

なぜなら、その日集まる方が、どのような方々で、どのようなコンディションであるか、 今この場で考えても分からないからです。

当日、集まってくださった方々の顔色、臨む姿勢、会場の雰囲気を見て、最も適切で 最も有効な進行していきます。

同じタイトルを冠していても、あらゆることを含むその状況は、後にも先にも それが唯一のものなのです。

私がその場で最適な対応するには、先ほどお話しした頭の中にある○や△の価値観が 邪魔になってきます。

過去に「こうだ」と思って固定したものでは対応できません。

「前回のセミナーでは、オープニングはこうだったから今回もきっとこうだろう」 という、過去の一時点でパシャリと写した写真は何の役にも立たないのです。 …………………………………………………………………………… 最後までお読みいただき、ありがとうございました!